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  • 2016/04/11 掲載

エアロセンス嶋田氏が語るドローンは、「データ蓄積」から「活用」までカバーする

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昨年の夏、ソニーモバイルコミュニケーションズとロボット開発ベンチャーのZMPによって設立され、大きな話題を振りまいた「エアロセンス」。同社はドローンによって、飛行計画から画像処理までを自動化してユーザーに提供する新ビジネスを展開しようとしている。先ごろ開催されたドローン専門カンファレンス「ジャパン・ドローン2016」に登壇した同社 取締役 嶋田 悟氏は、「我々は、ビッグデータが意味を成すプラットフォームとして、量産型のUAV(Unmanned Aerial Vehicle、以下、ドローン)が重要になると考えている」と語り、ビッグデータの活用にはドローンが欠かせないことを強調するととにも、自社の今後の方向性を示した。

ビッグデータに求められるプラットフォームとしてのドローン

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エアロセンス
取締役 事業推進担当
嶋田 悟氏
 嶋田氏は「ビッグデータのビジネスを成功させるには、データを簡単・スピーディに収集し、かつ管理しやすい形にしておかなければ何も始まらない。我々の産業用ドローンは完全自動飛行型なので、操縦者が不要だ。そのため多くのオペレーションを定期的に実行でき、さまざまなビッグデータを集められる。さらに、それらのデータをクラウドにアップロードし、ユーザーの目的に応じて解析し、管理も可能だ」と、同社の強みを説明する。

 すなわち「空からの計測」「データ解析・活用」「運用サポート」という産業用ドローンに共通するワークフローをプラットフォーム化したのが、エアロセンスのビジネスモデルのコアといえるものだ。もちろん、これらの作りこみも、すべて自動化していることが同社の大きな特徴になっている。

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産業用ドローンに共通するワークフローをプラットフォーム化したビジネスモデルを展開。

 たとえば同社では、ユーザーが必要とするデータ解析が最適化されるように、空からの計測では「フライトパス生成」「離着陸」「飛行」「撮影」「帰還」のすべてを自動化して提供しているが、そのほかにも無線切断やGPS異常検出、バッテリー低下など、異常時に備えたFail Safe機能も充実させている。今後は環境認識による障害物回避やGPSレス飛行も加えていく予定だという。

 嶋田氏は「ハードウェア、前工程(空撮サービス)、後工程(処理サービス)、アプリケーションまでを一貫して提供しているドローン企業は、現時点でも我々と米国のSkycatchぐらいしかない。開発からサービスまで一気通貫で行っているため、もし何か不具合が起きたとしても、バックエンドで我々がすべてをケアできる。そして現場のお客様が安心してオペレーションを遂行できるように進化させていける」と自信を見せる。

エアロセンス製ドローンは自動で飛行、データの蓄積・活用も手軽

 同氏はエアロセンスの具体的なサービス例についても紹介した。まず操作端末の地図上で、ドローンを飛ばしたいエリアを指定し、飛行高度と撮影写真のカバー率などを指定。すると最適なフライトパスを自動生成してくれるので、あとはドローンを自動飛行させるだけでよい。飛行中にどこを飛んでいるのか、その様子をリアルタイムで端末からモニタリングできる。

 撮影データは、いったん端末側へ転送され、インターネット経由でクラウド側に自動でアップされる。ユーザーはIDとパスワードを入力するだけで、どこでもクラウドのデータを閲覧できる。もちろん単なる写真データだけでなく、それらを合成した2次元地図、あるいは3次元モデルも数時間程度でクラウド上で生成し、どんどんデータとして蓄積していけるのだ。

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UAV CLOUDにアップロードされた空撮画像。これらをベースに3Dモデルも制作できる。

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1枚ずつ撮影された空撮画像をクラウド上で自動的に合成し、2D地図や3Dモデルを作成。

「我々は、ソニーの技術を活用し、より高感度なセンサーでデータを収集し、高度な画像処理を施している。またZMPがロボットで培った自動運転技術も取り入れている。開発した機体は、通常のマルチコプターではなく、VTOL型(Vertical Take-Off and Landing、垂直離着陸型)の固定翼だ」(嶋田氏)



 エアロセンスのVTOL機には、3つのプロペラがあり、それらによって姿勢制御を行う。メインの2重反転プロペラが水平状態のときは、マルチコプターのようにホバリングによって垂直に離陸する。さらに、そこからプロペラが90度ぶん傾いて、推力が働いて飛んでいく形だ。マルチコプターのように滑走路が不要で、なおかつ飛行機のように高速飛行できるメリットを併せ持っている。

 プロトタイプは時速100㎞以上で飛べるが、現在どの特区で実証するかを検討しているところだという。

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