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- 2015/12/16 掲載
TwitterをB2B企業がどう活かした?森田アルミ工業の「中の人」が明かした深謀遠慮
ソーシャルでABテスト、具体的な根拠に基づいてスタイルを確立
入社してWebサイトの運用を始めた野際さんが悩んだのは、直接消費者との接点を持たない同社がその反応を拾う手段が少ないことだった。Webサイトは一方的に発信するメディアであり、利用者との直接的なやり取りがあるわけではないため、営業を通してもメディアを通してもエンドユーザーの声が聞こえてこない。
「そこで目を付けたのが、ソーシャルメディアの活用でした。ソーシャルメディアでエンゲージできればユーザーの顔が見えてくるのではないか、そう考えて上司に提案しました。許可を得てまず始めたのがFacebookページです。中小企業には、当時Facebookが効果的だと言われていたので」
「既に個人でTwitterアカウントを持っていて使い方はわかっていましたが、企業の公式アカウントとしてどのような層にどのような情報を発信していけばいいのか、最初は手探り状態でした」
Twitterアカウント開設当初は、商品紹介やブログ更新通知などをツイートするという、企業アカウントらしい「“かたい”情報発信」を行っていた。しかし、この手法では反応が薄く、フォロワーも増えていかなかった。
「では、“ゆるい”情報発信をすればよいかというと、そう単純な問題でもありません。ゆるいツイートで人気の企業と同じようなことを同じように言っても、話題にもならないのです。自社にも合っていて、なおかつ受け入れられる効果的な方法があるのか。それを模索するため、実験を行うことにしました」
仕事としてツイートするからには、エビデンスを得た上でより効果の高い手法を選び取っていくべきだという野際さん。上司の許可を得た上で、ブログの更新通知や商品紹介を二通りのパターンでツイートするという実証実験をまずは行った。
一つめのパターンは従来通りのかたい言い方。もう一方は、ネタを交えながらのゆるい言い方。いわゆるバナー広告のABテストだ。実験の結果は明白だった。後者のほうがフォロワーの反応が圧倒的に良く、商品紹介ページやブログへの誘導効果も高いことがわかったのだ。
「ただ単に人気の公式アカウントを真似てゆるくツイートした、ではなく、エビデンスを示したうえで社内の了解を得て、今のようなスタイルになっていった訳です」
【次ページ】社内の意識を変えることができた理由
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