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- 2015/11/12 掲載
長野県塩尻市のテレワークに学べ!子育て期間を「マイナス」から「チャンス」へ
国の事業を取り入れた継続可能な仕組みづくりをスタート
同市の取り組みについて、一般財団法人 塩尻市振興公社 総務・まちづくり部門 テレワーク業務主任を務める柳澤 佳子氏は「介護中の人なども対象に含め、在宅で仕事ができる環境づくりを進めるものです。塩尻市はITに強い地域なので、その特徴を活かした取り組みをしようと初めから考えていました」と振り返る。
塩尻市振興公社がスタートしたテレワーク事業の呼称は、「KADO(かどう)」。ロゴには家働という漢字が添えられ、家で働くという意味が込められている。目指したのは地域の人材育成と、育成した人材への仕事の提供、そしてそれらを継続できる環境づくりだ。国からの事業予算も使い、百数十台のPCとソフトウェアを購入。1年目のほとんどは人材育成に時間を費やしたという。
技術を身につけた人材が育ったら、次に必要なのはその技術を活かす場を提供することだ。かといって、急に数多くの仕事が来ることはない。そこで手がけたのが、地域情報のポータルサイトづくりだった。
「地域ポータルを作れば、取材や記事作成、データ更新の作業が必要になります。市民への情報提供というメリットを生み出しながら、実践的な技術研鑽の場としても役立ちました。そのうちにチラシ作成やWebサイトのデータ更新、リニューアル時のデータ移行など、在宅でも可能な仕事の依頼が外部からも来るようになりました」(柳澤氏)
こうしてテレワークの素地がゆるやかにではあるが、確実に築かれていった。KADOの取り組みを継続すべく、2012年から2013年にかけては、塩尻市が独自にテレワーク推進事業に取り組み始めた。
当初の目的である継続的な環境づくりという観点で、国の事業を発端にして地域の取り組みとして根付いていくこのステップは、初期に大きな予算を使えるという点でよい順序だったと言えそうだ。
実際、当初購入したPCを使って人材育成を続け、毎年数十人ずつが在宅就労に必要な技術を習得していったという。業務依頼も同等のペースで増え続け、一人当たりの収入や就労負担が変わらない程度に、全体としての規模は成長を続けてきた。
身につけていった技術の中心となるのは、データ入力や移行に必要なタイピングスキルに始まり、Web作成に必要なコーディング技術、チラシ作成に必要なアドビ製品の使い方など。またこうした技術習得の場を通じてテレワーカー同士の輪も広がり、お互いに必要な技術を教え合う場も増えていった。
「IT技術を既に身につけていて、子育てを機に働き方を変えたいという方も、KADOに参加されます。そうした方が、初心者に技術を教えてくださる場面も増えていきました」(柳澤氏)
【次ページ】地方都市ならではのテレワークはシステムいらず
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