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- 2015/07/08 掲載
将棋のプロ棋士が対局後に感想を言い合う意味は? 先を読み、判断する力の身につけ方
現実社会で先を読んで行動するために! 将棋から学ぶ
ある課題を解決するためのA案とB案があったとして、どちらを選択するか。ショッピングサイトの販売ページであれば、A案とB案両方作ってみて売れ行きがいいデザインを選ぶという、いわゆるA/Bテストを行える。
しかし、世の中そういうわけにもいかない物事のほうが多い。現実社会には不確定要素が多い。どれだけ読みが正しかろうとも、なんらかの外的要因で成り行きが思惑通りにいかない、ということがほとんどだからだ。
2つ、あるいはそれ以上の選択肢からひとつを選ぼうとして、必ず望む結果を得たいと強く思った時、誰もが先を読み、判断している。時代の先を読みたいだとか、ビジネスの交渉相手の意図を読みたいだとか、現代に生きる我々は「先を読む」ということに関して異常なほどの執念を燃やしている。
今回は、先を読むという思考が極めて先鋭化するゲーム「将棋」から、先を読み、判断する力の身につけ方を考えてみたい。
「局面の数が、実質的に無限」ということは、どちらの側も「完全な読み」はできない、ということを意味する。ここで不思議なのは、互いに不完全な読みを展開しているのに、それでもプレイヤーの強弱にハッキリした傾向があらわれるということである。
これは素人同士の場合、はっきりとした強さの違いがあると勝率は100%に近いほどとなったりする。100%勝っている方も、素人なのでその「読み」の質が高いということは全くない。それでも、実力にある程度の隔たりがあると、ほぼ確実に勝てる。
これは、「読み」の力はさておき、ある程度経験を積んだことによる「判断」の力が増した結果であると考えられる。
【次ページ】愚直で具体的に「読み」、メタで抽象的に「判断する」
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