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- 2015/05/25 掲載
竹中平蔵氏が地方創生へ提言、特区とコンセッションで地方主体の成長戦略を描こう
アベノミクス効果は順調
「Microsoft CityNextソリューションフォーラム 2015」の基調講演に登壇した竹中氏は「2013年1年間で日本の株価は57%上昇した。1980年代のバブル経済時で年平均上昇率が40―50%だから、それに匹敵する状態になりつつある。政策としては大成功だ」と、アベノミクス効果に力を込めた。
しかし、地方からは景気回復の実感がないという声が相次いでいる。この点について竹中氏はドイツの構造改革が10年近い年月をかけて成功した例を挙げ、「日本全体が良くなっても全員が良くなる保証はないが、全体が良くならない限り全員が良くなることはない。今は全体をよくしようと国を挙げて努力している段階だ」と述べ、地方での景気回復実感にはもう少し時間がかかるとの見方を示した。
景気回復に冷水をかけたのが、2014年春の消費増税だった。政府は短期的に財政出動を増やして対応したものの、消費の落ち込みに歯止めをかけることができなかった。「結局、昨年1年間はゼロ成長に終わった。(消費増税は)前の野田政権が決めたことなので、やむなく実行したが、景気回復に大きなマイナスとなった」と振り返った。
アベノミクスについて金融緩和や財政政策はそれなりに評価されてきたが、成長戦略に関してはこれまで批判的な声が多かった。だが、英国紙・エコノミストは「過去にないことをやり始めた」と評価したほか、フィナンシャル・タイムズは「政治的に実現は困難」としながらも「方向は間違っていない」と好意的な論調を掲載した。竹中氏は「日本の経済政策が欧州でここまで注目され、評価されたことはない。このまま成長戦略を推し進めていけば、国内の評価も流れが変わる」と、現在の政府の方針に誤りがないことを強調した。
【次ページ】地方創生に求められる「覚悟」
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