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- 2014/12/15 掲載
Twitterのアプリ一覧収集から見えてくる課題 サービス提供者が利用者に説明すべきこと
Twitterによるアプリ一覧の情報収集が開始された
ひとつは、過去にアプリ情報を収集して広告配信に利用できるSDKが問題視され、SDKの配布中止、会社の解散まで至った事件があり、それと同等な機能ではないかという意見だ。
Twitterはもともとオプトインされた状態で機能がリリースされたサービスのため、オプトアウトの方法がわかりにくいという点も指摘された。
もうひとつの懸念は、開発中のアプリなどの情報が期せずして漏えいする可能性だ。AndroidやiOSの場合、個人やスタートアップのアプリが多く、大きなビジネスになっているものも少なくない。プラットフォーマ―であるツイッターがこうしたアプリの情報を手にするのは、公正な競争を阻害する危険がある。
もちろん、根本的な問題は、個人が利用するアプリの種類や嗜好は、プライバシー情報であり公表や第三者の利用は本人が制御できなければならないという大前提があることはいうまでもない。
収集情報や目的は隠さず公表する
同社ヘルプセンターWebサイトでは「リストデータの利用例」として「同じ興味関心を持っている 『おすすめユーザー』をより高い精度で提案」「特に興味のありそうなツイート、アカウント、その他のコンテンツをタイムラインに追加」「ユーザーの興味によりマッチしたプロモコンテンツを表示」などを挙げており、あくまでも目的はユーザーにとって適切な広告を配信するためだ、と説明している。
サービス利用が無料であることを考えると、広告配信のために多少の便宜を与えることは許容され得るものである。ツイッター社の場合は、公開時の機能の説明やオプトアウトの方法に難があるとはいえ、必要な情報を開示している点は評価すべきだろう。このように、企業側がサービスや情報収集についてきちんと説明することや情報提供のコントロールを利用者に委ねることは重要であると考える。
筆者保有のAndroid端末環境で確認した限りは、アプリ情報の収集がオプトイン設定になるのは、Twitterの設定画面で「プロモコンテンツ」のチェックボックスを有効にしている場合のようだ。プロコンテンツを利用しない設定にしていれば、改めてアプリ情報収集を無効に設定しなくてもよい。
【次ページ】利用者は情報の提供範囲で危険度を判断
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