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総合評価 機能、使い勝手ともに突出するHP EliteBook 2170p
これまで見てきた機能を総合すると、HP EliteBook 2170p Notebook PCが25点満点中20点ともっとも好成績を挙げた。パスワード管理/認証機能については、東芝のdynabook R732/GとレノボのLenovo ThinkPad Edge E130の不利を考慮する必要があるが、仮にそこで満点を与えたとしてもHP EliteBook 2170p Notebook PCに及ぶことはなく、完勝といえる内容である。異論はないところだろう。
総合評価
機種名/ 項目 Vostro 3360 dynabook R732/G VersaPro Ultralite タイプVB HP EliteBook 2170p LIFEBOOK P772/FX ThinkPad Edge E130
暗号化 4 4 4 5 4 0
パスワード管理/認証 2 0 3 5 3 1
デバイスアクセス制限 0 5 5 5 5 5
廃棄/データ消去 0 3 3 5 3 0
リモートロック/消去 0 0 4 0 0 3
合計 6 12 19 20 15 9
また、HP EliteBook 2170p Notebook PCについては、今回見てきたようなセキュリティ機能を1つの「HP ProtectTools」にまとめ、ユーザーインターフェイスを統一していることも強調したい。機能ごとに該当するソフトをドライバCDやHDD内から探してインストールし、それぞれ別個に設定を行わなければならないモデルが多い中にあって、使い勝手の良さが突出している。
次点はNECのVersaPro Ultralite タイプVBだが、実際に利用してみた感想としては、運用レベルでは単純な機能差、点差以上に大きな開きがある。セキュリティ機能を重視するなら、文句なしにHP EliteBook 2170p Notebook PCをお勧めしたい。
マイクロソフトによるサポートの終了により、Windows XPを安全に使い続けることが難しいことは、冒頭で述べた通りだ。企業で利用するクライアントPCにおいては、パフォーマンスはもちろんだが、それ以上にセキュリティの強度が重要となる。Windows XPから移行する際は、今回の比較をぜひ参考にして、セキュアなPC導入を実現してほしい。
■ビジネスPCをどう考える? 日本HPのセキュリティ思想
今回の比較では、HP EliteBook 2170p Notebook PCに付属するHP ProtectToolsの機能の豊富さ、使い勝手の良さが光る結果となった。複数の機能を1つの統合ツールにまとめているというだけでも十分に評価できるが、実際にセキュアな環境を構築できるようメニューやウィザードを工夫している点からもセキュリティに対する強い意識が感じられる。
たとえば、HDD暗号化を伴うシングルサインオン環境といったような複数のセキュリティ機能を組み合わせた実用的でセキュアな環境を簡単に構築することができる。これはHP ProtectToolsならではの大きなアドバンテージだ。
また、2万円台から購入できる日本HPのノートPC、ProBookシリーズにも、今回紹介したHP ProtectToolsが搭載されている。つまり日本HPのビジネス向けノートPCを選べば、最廉価のモデルであろうと必ず搭載されているということだ。デスクトップPCは、外に持ち出す機会はないのでセキュリティニーズが違って当然だが、ハイエンドモデルのEliteシリーズでは標準でHP ProtectToolsが搭載され、液晶一体型PCではBTOで追加可能となっている(+10,500円)。ノートPCであれば2万円台の製品であれ、1万円のセキュリティソフトが標準で付属するようなものとも言える。
さらに話題のタブレットPCであるHP ElitePad 900では、SSD丸ごと暗号化やアクセス制限などの標準的なセキュリティ機能に加え、「Find my PC」というサービスがプリインストールされている。端末を紛失したときに備え、遠隔ロック、遠隔データ消去、位置情報のトラッキングといった機能を利用できるものだ。Find my PCは、Absolute Softwareという会社の提供する有償サービスだが、ElitePadのユーザーは4年間無償で利用できる。
日本HPのビジネス向けモデルは、その製品において必要なセキュリティレベルと顧客ニーズを満たすための機能やツールが搭載されており、実用的でセキュアな環境を容易かつ安価に構築できる。セキュリティの確保が大きなテーマであるビジネスPCにおいては、かなり有力な選択肢の1つとなるだろう。
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