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- 2017/09/12 掲載
エッジコンピューティング「DE100」で実現する東芝の「働き方改革」の本気度
さまざまな機器と接続可能な新デバイスで「働き方改革」を推進
一方、現在の職場環境に目を向けると「少子高齢化」「後継者不足」「労働力減少」などの課題が、「働き方改革」推進のハードルとして浮き彫りになってきた。
そうした状況を少しでも変えようと発表されたのが、前述の「DE100」である。DE100はインテルのCore mプロセッサーを搭載した手のひらサイズのPCである。ノートPCと異なりディスプレイやキーボードは備えていないが、さまざまな機器を接続することができる。
たとえば、メガネ型ウェアラブルデバイスと組み合わせれば、ハンズフリーでのピッキング作業が可能となり、遠隔支援も行える。またPC画面への複数画面表示による「ミーティングの効率化」にも役立てることができる。いわば、「働き方改革」を推進するために製品化された小型の新デバイスというわけだ。
「DE100を皆さまにご提案し、どういう形態で活用できるのか、一緒に知恵を絞っていきたいと考えます」(覚道氏)
東芝が考える利用シーン以外にも、さまざまな使い方をユーザーと一緒に考えることで思いもよらないアイデアが出て、DE100の活躍の場がさらに広がっていくと覚道氏は述べる。
たとえば、作業時間短縮化が可能となれば、残業のない職場環境へと改善できたり、子供の送り迎えができる時間的余裕が生まれたりする。東芝では、DE100をこうした働き方改革を手助けするデバイスと位置づけている。
覚道氏は最後に、マイクロソフトによるサポート期限が2020年に迫っているWindows 7についても言及した。今後は、Windows 7から大きくUIが変化したWindows 10へと大規模な移行が進んでいくが、その際に、使い方やUI変更に戸惑うユーザー向けに各種セミナーを開催していく予定だ。
エッジコンピューティングを具現化したDE100
続いて、東芝クライアントソリューション 執行役員 国内開発営業本部長の鏑木一誠氏がDE100を詳しく解説した。鏑木氏によると、DE100はビジネス分野が抱える課題を解決するための新商品である。モバイルやクラウドの普及、台頭により、ビッグデータ解析から新たなビジネス価値を創出する「デジタル・ディスラプション」(デジタルによる破壊的創造)に注目が集まる。そして、インターネットにつながるモノ、いわゆるIoTデバイスの数は爆発的な増加が見込まれている。
その一方で、通信への負荷やコスト増、通信速度の遅延に伴うリアルタイム性が課題として指摘されている。こうした課題を解消するために登場したのが、エッジコンピューティングという概念であり、それを具現化した商品がDE100というわけだ。
「エッジコンピューティングは、ユーザーサイドにエッジサーバを分散させることで通信遅延を極小化し、処理のリアルタイム性を確保しようとするもの。この考え方を発展させ、ハイパワーな処理能力を持ったモバイルデバイスにより、労働力不足への対応や、多様な働き方に対応するコミュニケーションへの課題に応えていきたいと考えています」(鏑木氏)
DE100の対応領域をさらに拡大、発展させるため、メガネ型ウェアラブルデバイスの開発が今年12月の発売を目途に進められている。高画質・高精細なディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカー、タッチパッドなどを装備する。
【次ページ】 DE100で想定される6つの活用シーン
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