最後に、BIOS(UEFI)、リカバリ機能、セキュリティツールの機能をチェックする。こういったPCの運用/管理に関わる部分は、平常時には表面化しにくいが、管理にかかる人的コスト、時間的コストを左右する部分だけに、トータルコストを考えるうえでは無視できない影響がある。
それぞれ概要は表にまとめているが、BIOSではUEFIでマウス操作できるOptiplex990 USFFが一歩進んでいる印象。パスワード保護などのセキュリティ関連機能もひととおり装備している。
リカバリ機能は、光学式メディアのリカバリディスクの標準添付と、HDD内のリカバリイメージからリカバリできるDtoDリカバリの両方が用意されていることが理想だが、今回比較した6機種はいずれもリカバリメディアを自分で作成する必要がある製品で、評価はほぼ横並びとなった。
セキュリティツールに関しては、HPのHP Protect Toolsの機能、使い勝手が一歩抜けている。セキュリティ関連の機能が1つにまとめられているのもありがたい。
PC運用/セキュリティの比較表 |
機種名 | Optiplex990 USFF | Mate ME | HP Compaq 8200 Elite US/CT Desktop PC | ESPRIMO D570/B | ESPRIMO D751/C | M91p Eco UltraSmall |
セキュリティツールの比較 |
| Dell Data Protection/Accessによるパスワード管理が可能(プリWindowsパスワードの管理も可能) | Infinion Security Platformで暗号化フォルダなどが利用可能。NASCAによるパスワード管理が可能。Device Protectorによるデバイスのアクセス制限が可能 | HP Protected Toolsにより、暗号化フォルダの利用、HDD全体の暗号化、ファイルの安全な消去、デバイスのアクセス制限などが行なえる | Port Shutterによるデバイスのアクセス制限が可能。TPMセキュリティチップの搭載不可 | Infinion Security Platformで暗号化フォルダなどが利用可能。指紋センサーなどの認証デバイスがある場合(ない場合はインストール不可)はSmart Access Basicによるパスワード管理が可能。Port Shutterによるデバイスのアクセス制限が可能 | ThinkVantage Password Managerによるパスワード管理が可能 |
採点 | 6 | 8 | 10 | 6 | 8 | 7 |
BIOSの比較 |
| UEFIでマウス操作可能。英語のみだが、各項目ごとにシンプルにまとまっていてわかりやすい。USBポートはフロント/リア別(リアは2/3ポートに分割)に利用制限ができる。カバー開放通知あり | テキストベースのBIOS。メニューは英語のみ。カバー開放通知機能あり | テキストベースのBIOS。日本語をはじめ各種言語が選択可能。USBのフロント/リアごとだけでなく、ポート個別ごとに利用制限ができる | テキストベースのBIOS。メニューは日本語と英語。特に目立ったセキュリティ設定は用意されていない | テキストベースのBIOS。メニューは日本語と英語。特に目立ったセキュリティ設定は用意されていない | 英語/仏語/中国語。テキストベースのBIOS。USBのフロント/リアごとだけでなく、ポート個別ごとに利用制限ができる。カバー開放通知あり |
採点 | 10 | 7 | 8 | 7 | 7 | 8 |
リカバリ機能の比較 |
| リカバリDVDまたはOSディスクから(Dell Backup and Recovery Managerで作成が必須) | 付属のDVD「アプリケーションマニュアルディスク」から。スタートメニューにあるツールから自分で作成も可能 | Windows上のリカバリマネージャから(DtoD)。リカバリマネージャからリカバリメディア作成も可能 | 起動時にF12キーを押して「トラブル解決ナビ」から(DtoD)。スタートメニューにあるディスク作成ツールからリカバリティスク作成も可能 | 起動時にF12キーを押して「トラブル解決ナビ」から(DtoD)。スタートメニューにあるディスク作成ツールからリカバリティスク作成も可能 | リカバリメディアから(スタートメニューにあるCreate Recovery Mediaツールからで自分で作成)。Rescue and Recoveryから(D to D/起動時にF11) |
採点 | 8 | 9 | 9 | 9 | 9 | 9 |