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  • 2019/03/19 掲載

AI活用 実践編:はじめの一歩、「データ整備」の基本的な考え方とは

新連載:実践!AIドリブンな組織を作る5ステップ

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ビジネスに関するさまざまなデータをAIに活用し、意思決定の支援に役立てることが多くの企業にとって目下の急務となっている。こうした中で、AI活用を現実のものにするためには、社内でどのような活動が必要なのだろうか。本連載では、データ分析・AI活用サービス企業mynet.aiの執行役員および代表の3名が、AI活用を大々的に始める前に取り組むべき社内のデータ活用のための準備とリテラシー向上について解説していく。
mynet.ai COO 中元 正也、CTO 野濱 哲也、CEO 梅野 真也

mynet.ai COO 中元 正也、CTO 野濱 哲也、CEO 梅野 真也

mynet.ai
マイネットグループの1社で、データ分析・AI(人工知能)活用サービスを提供するテクノロジーベンチャー。オンライン社会の”自動運転”により、その社会にいる人たちがより幸せになるサービスを生み出していくことを目指している。

マイネットグループ
コミュニティの永続発展をミッションに掲げる「オンライン時代の100年企業」。現在は国内最大数のオンラインゲーム運営を行うゲームサービス事業を主に営んでいる。多数のゲーム運営で蓄積されたビッグデータに基づくノウハウやAI基盤を活用することで、ユーザーの皆さまが長くワクワクできる「10年空間」の実現を目指している。運営ゲームタイトル数38タイトル(2019年3月時点)。

photo
組織を巻き込んでの「データの生かし方」を、5ステップに分けて解説していく
(©yoshitaka - Fotolia)


「AI活用を成功させる」とは何か

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 AI活用を成功させるとはどういうことだろうか。ここでは大きく2つのパターンを考えてみよう。

 一つはAIが社会の中で自然に溶け込んで、意識せずに業務が実行されている状態だ。自動運転が例として挙げられるが、もし将来それが現実のものとなれば、物流システムは大きく変わるだろう。

 2つ目は、AIによる享受を理解した上で、それを活用しながら人間が効率的に業務を遂行しているような状態だ。例を出すとすれば、コンビニエンスストアの店員が、天気やトレンド、交通量などのAI予測で、午後のアイスクリームの仕入れ量を午前に調整する。そういった世界だ。

 本連載で扱うのは、AIが仕事の相棒になるような2つ目のパターンであり、それを組織内で実現し最大限の効果を発揮させるためには、まずデータドリブンな仕事のやり方を社内で定着させておかなければならない。AIに答えを期待するのではなく、データから得た合理的な解釈を元に意思決定をしていくノウハウやリテラシーを社員が身につけていく必要がある。

 そのためには、AIを使った成功体験の積み重ねが必要だ。おのを使った経験がない人に、おのだけを渡しても最初からはうまく使えない。おのの使い方を知る伝道師のような人から習うことで使えるようになり、それが成功体験となりほかの人にも広がっていく。AI活用でも同様で、伝道師の指導による成功体験が一つの部署で起これば、ほかの部署でも広がって社内がAIドリブンになっていく。

 AIの伝道師になる人は、データを活用するスキルがあり、かつビジネスの現場に理解がなければならない。彼らが組織横断的に各部署を回りながらAIドリブンになるための種を植えていく。弊社の場合、データサイエンティスト、AIエンジニア、エンジニアなどから構成されるデータドリブン統括部がこれに当たる。弊社では、彼らを先立ちとして社員全員がAIを活用できるような「総AI人材化」を推進している。

 本連載では、弊社でのAIドリブンな組織に変化するための取り組みから得られた「AI-Ready」(AI活用の準備ができている状態)になるための知見を5つのポイントに分けて紹介していく。

  1. データの整備
  2. データドリブンプラットフォームの構築
  3. 事業ビジョン達成のためのデータ活用
  4. データ活用を促進するためのPDCA
  5. データリテラシー向上のための施策

【次ページ】つまずきがちなデータ整備のコツとは何か
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