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- 2018/08/10 掲載
首都圏でも世帯減、空き家「800万超」はひたすら増え続けている
輪島市と柏崎市で行政代執行に着手
この空き家は木造2階建て延べ約250平方メートル。築74年の老朽家屋で2009年から居住者がいなかった。通学路の県道に面しているが、10年ほど前から瓦や外壁が崩れ、危険な状態。小田屋町の歴代区長から市へ対応を求める声が寄せられていた。
市は市外に暮らす所有者に対し、2017年12月に指導、2018年1月に勧告、3月に命令を出し、除却か補修を求めてきた。しかし、期限の5月18日を過ぎても対応されず、代執行やむなしの結論に達した。
要した費用は約200万円。所有者に全額請求するが、費用が支払われないときは所有者の財産を調査して差し押さえる。輪島市都市整備課は「市内に行政指導している危険な空き家が約60戸ある。所有者側で対応してもらえるよう働きかけたい」と表情を曇らせる。
新潟県柏崎市諏訪町では7月、鉄骨鉄筋コンクリート地下1階地上3階建て延べ約1,200平方メートルの旧旅館が代執行で撤去に入った。商店街に隣接した住宅密集地にあるが、12年前から空き家になり、老朽化で倒壊の危険性が指摘されていた。
旧旅館は60年ほど前に営業を始め、約20年前に廃業している。所有者は既に死亡し、相続人もいない。2007年の中越沖地震後、両隣の民家や通学路に外壁が落下する恐れが出たため、市が約2,300万円を投じ、落下防止ネットを設置するなどしてきた。
撤去費用は約6,300万円。外壁に健康被害が問題になっているアスベストが含まれており、飛散防止対策が必要なため、高額になった。市内にある危険な空き家は3月末時点で84戸。柏崎市建築住宅課は「来年度以降も順次、優先度の高い順に対応せざるを得ない」と頭を痛めている。
空き家の急増で代執行も増加傾向に
2015年に施行された空き家対策特別措置法は、周辺環境に深刻な影響を及ぼし、放置すると危険な空き家を特定空き家と規定した。自治体は同法に基づいて立ち入り調査を行い、指導、勧告、命令、代執行ができる。総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家は2013年10月時点で全国に820万戸に達し、5年前の前回調査に比べて63万戸増えた。総住宅数に占める割合は0.4ポイント増の13.5%。空き家数、空き家率とも過去最高を更新している。その後の5年で地方の人口減少が加速していることを考えると、現在の実数はもっと多くなっているとみられる。
別荘などを除いた都道府県別の空き家率は、最も高いのが山梨県の17.2%、2位が愛媛県の16.9%、3位が高知県の16.8%。過疎地域を多く抱える地方が上位を占めた。
【次ページ】首都圏も世帯数が減少に転じる
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