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インドでは近年、デジタルメディアの成長が著しい。デジタルメディアを中心的な情報ソースにする人たちが急増しているのだ。インドでビジネスを成功させるなら、デジタルメディアの攻略はもはや必須だ。デジタルメディアを通じてインド市場との接点を探ろうとしている日本企業は、これまで以上に戦略に注意を払わなければいけない。インド市場でデジタルメディアをうまく使ってマーケティングを進める「3つの心得」を、エクシール・エフ・エー・コンサルティングが解説する。
執筆:エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー、大塚賢二
成長のデジタルメディア、安定の印刷媒体
インドにおける現在のメディア媒体の成長率は、テレビが8%にとどまるのに対して、デジタルメディアは30%もの非常に高い水準を維持している。
デジタルメディア市場の売上は、2018年度において13億8,400万ドルを記録するとみられる。一方、印刷媒体の成長率は4.5%と低いが、広告需要が底堅く安定的である。
メディアというのは、大衆が情報にアクセスするための手段を意味する言葉だ。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、SNS、アプリ、ポッドキャスト、ブログは、以前から消費者との意思疎通に用いられている媒体の一例だ。
しかし、これらのメディアごとの特徴を踏まえずに行うキャンペーン活動は、無駄になることがある。
たとえば、同じメッセージをできるだけ多くの人に伝えるにはテレビが有効だが、利用コストや対象を特定した情報の深さ・量といった点では通常、SNSやブログの方がより効果的だ。
適切な手段を利用することではじめて、デジタルメディアと情報の受け手とが効果的につながるのだ。
こうしたことを念頭に置くと、インド市場でデジタルメディア集客を成功させるための3つの心得が見えてくる。
心得1:「みんな一緒」ではなく「あなただけ」を考える
デジタルメディアを使ってインドで集客を行うなら、まずターゲットを絞ろう。情報を伝える相手を前もってよく知ることで、その後の相互理解や意思疎通もよりスムーズになる。特定の指標でターゲットを定義すれば、そこにアクセスする適切な手段を見つけることができるのだ。
ここで、SNSに注目しようとする企業もあるだろう。ところが、ターゲットの設定を誤り、見当はずれのターゲットに向けたコンテンツの投稿を続ければ、無駄骨に終わってしまう。同様に、日用品を専門に扱う地方の小さな小売店が、全国紙を介して国全体に販路を求めようとしても、最も注目すべき「地元のターゲット」を見逃している時点で、困難に陥ることが容易に予測できる。
フェイスブックをはじめとするSNSでは、ユーザーが自分で登録した住所、性別、年齢、職業などの属性を用いて企業がターゲットを絞ることが可能だ。その結果、すべてのメッセージがすべての人に同じように「みんな一緒」に届くわけではなく、受け手の特徴に即した「あなただけ」との情報伝達ができる。
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