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テクノロジーの進化により、どこにいても自由に仕事ができる働き方が注目されている。こうした自由な働き方を支えるのが、コワーキングスペースだ。その市場は年率23%で成長を続けているが、競争も激化している。今後も生き残りをかけて、シビアな経営視点が求められるだろう。WeWorkなどの台頭で激化するコワーキング市場の未来を占う。
市場拡大の理由はイノベーションのジレンマ? 3年後の成長のカギはプラットフォーム化にあり
コワーキングスペース市場拡大の背景を語るうえで、外せないキーワードが「オープンイノベーション」だ。市場のグローバル化が急速に進み、顧客ニーズが多様化する中、経営環境はますます激化し、大企業であっても新たな価値(イノベーション)をスピーディに生み出す力が、より重視されるようになった。
ところが、大企業のみではイノベーションのジレンマ(※)による構造的な問題から、画期的なビジネスモデルを生み出すことは難しい。そこで、これまでにない破壊的な新しい価値のあるプロダクトやサービスを生み出すスタートアップのリソースと掛け合わせて、新たな価値を生み出そうというのがオープンイノベーションの発想である。
※イノベーションのジレンマ:ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセン氏が1997年に提唱した理論。大企業がイノベーションを生み出すことができず、新興企業の前に力を失う理由を説明した。
そして、オープンイノベーションが生まれるリアルな場として欠かせないのが、コワーキングスペースだ。多様な価値観やバックグラウンドを持つスタートアップや起業家、フリーランスなどが集まるコワーキングスペースは、オープンイノベーションを促進し、誘発しやすい場であるという観点からも注目を集めている。
【次ページ】スタートアップやパートナーメリットにフォーカスして成長を目指す
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