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- 2023/01/13 掲載
市場規模750兆円の「ウェルビーイング」とは、グーグルやメタら投資のビジネス新潮流
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ポストSDGs「ウェルビーイング」とは
近年のビジネシーンを席巻したキーワードは何といっても「SDGs」でしょう。各企業がSDGsへの取り組みを強調しており、SDGsはすでに普遍的な概念となりつつあります。一方、SDGsに配慮している、取り組んでいるということがビジネスとして差別化になるかという視点で考えると、難しい世の中になってきていることを意味しています。そこで考えたいのが、ポストSDGsです。私は、SDGsの次に来る重要な視点は「ウェルビーイング」だと捉えています。
ウェルビーイング(well being)とは、「体も心も元気で、社会との関係も良好である状態」のことを言います。平たく言うと、自分らしさを軸にして、大切な家族や友人と過ごす時間を大切にしたり、好きなことを追求したりする人生となるでしょうか。
こうした価値観は、米国や欧州ではスタンダードなものになりつつあります。日本でも広がり始めていて、2021年は日本におけるウェルビーイング元年と言われました。この価値観は日本人のライフスタイルにもいずれ根付くと、私は思っています。
米国の市場規模はなんと600兆円超
すでに米国では、ウェルビーイング関連ビジネスが急成長を遂げています。ウェルビーイングの概念が広範囲をカバーするため、市場を明確に推計することは難しいのですが、顕在化しているところでわかりやすいのは米国のウェルネス産業です。その市場規模は、GLOBAL WELLNESS INSTITUTEの調査によると、2020年時点で4.4兆ドル、日本円にすると約600兆円になります。同様の枠組みで見たとき、2020年の日本での市場規模は10.3兆円(予測)。実に60倍です。
ただし、米国のウェルネス産業がウェルビーイング市場そのものかと言われると、やはり一部に過ぎないでしょう。「自分らしく生きる」「心、体、社会的に良好である状態をつくる」という視点で考え、周辺産業まで含めると、ウェルビーイングの市場は750兆円規模にまで広がるのではないかとも言われています。
【次ページ】60倍の差を生んだ、日米の決定的な「2つの違い」
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