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- 2022/03/08 掲載
なぜNECは“劇団の拠点”で「アナログ的な合宿型研修」のワーケーションを行ったのか
オフィスは「作業場」から「コミュニケーション・ハブ」へ
NECはコロナ禍の2年間で、ほとんどの社員が在宅勤務にシフトし、リモートワークが中心になったという。会議・相談などもすべてオンラインで行われているが、ITベンダーなので、この変化に対しても社員に戸惑いの声はなく、スムーズに移行できたとNEC プラットフォームソリューション事業部 シニアエキスパートの塩津 進氏は振り返る。「社員は在宅で仕事をすることや、コワーキングスペースなど離れた場所で作業することに対して、何ら抵抗感もない状況になっています」(塩津氏)
もちろん、これはNECだけの話ではないが、働き方が変化してきたことで、当然ながら従来のオフィスの役割も変わってきた。同社は、コロナ禍により、どこでも働いてもよいというロケーションフリーのワークスタイルに変わり、本社オフィスもフリーアドレスであるため、決められた固定席はなく、社員のロッカーがあるだけになった。
塩津氏は「特に我々の事業部は、モノ売りの営業でもモノづくりの製造部門でもなく、企画や販売促進が中心なので、基本的にはPCとオンライン・コミュニケーションツールさえあれば、何の不便もなく仕事ができます。そのため、いま出社するのは、フェイス・ツー・フェイスでの業務が必要なときのみで、オフィス自体もコミュニケーション・ハブのような形で機能しています」と説明する。
なぜリモートワークだけではダメか?新たに見えてきた課題
このようにリモートワークで働くことに慣れてきた同社だが、その一方で新たな課題も生まれつつあるという。それは特に若手社員の人材育成面で顕著に表れているそうだ。塩津氏は「オンライン会議をするにも、会社に長く在籍しているメンバーならば、社内に人脈があるため、相談相手もすぐに思い浮かびます。しかし新入社員の場合は人脈構築がないまま在宅ワークに突入しており、近しいグループとの人脈や情報共有があっても、少し離れたメンバーとのコミュニケーション頻度が少なかったり、幹部とヒザ詰めで話をする機会も大幅に減りました。そのため、物事を考える際にも偏向する傾向があるのです」と指摘する。
また外部顧客とのコミュニケーションにも課題が見えてきた。営業部門であれば、まだオンラインでの対話や対面営業も続けるケースはあるが、企画部門などでは顧客と直で接する機会が激減しているのだ。
「コロナ前までは、営業に企画担当が同行し、顧客と会話のキャッチボールしながらニーズを発掘したり、商品を開発していたのですが、オンライン会議だと一方的な説明になりがちで、本質的な顧客ニーズに踏み込めていない気がします。お客さまと接する機会が少ない若手は、オンライン会議で一段と難しい対応が求められています」(塩津氏)
もう1つはコロナとは直接関係ないのだが、ITベンダーがモノ売りからサービス(コト)売りへと変容しつつあり、メーカー志向からサービスプロバイダー志向が求められるようになってきたという課題だ。
「メーカーの場合には、どうしてもサービスプロバイダー志向の考え方が弱かったのですが、そういったマインドを醸成するためには、新たに人間的な鍛錬も求められるようになってきたと感じています」(塩津氏)
【次ページ】先端IT企業が求めたアナログ的な合宿型研修とワーケーション
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