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- 2016/08/16 掲載
ロボットブームで分かった、Pepperに「できること」と「できないこと」
「V-Sido OS」のアスラテックに聞く
ロボットOS「V-Sido OS」が様々なロボットに搭載される日
アスラテックのV-Sido OSは、複数のアクチュエータの動きを制御することで、全身の動きをつくり出すOSである。V-Sido OSの特徴は、電動、油圧、空圧などアクチュエータの種類や、ロボットのサイズ、形状、用途などを問わず、多様なロボットを制御できることだ。このOSは、二足歩行ロボットのためのシステムというイメージがあるが、実はそれ以外の多くのロボットにも実装されている。同社の羽田卓生 氏は「V-Sido OSが発表されてから2年が経ちますが、我々の最終目標はこのOSが量産されることですので、まだ道半ばの準備中というところです。現在、対応ロボットは12種類まで増え、現在進行の案件も多く、着々と準備は進んでいるところです」と語る。
Works with V-Sidoの分類には、同社によるコンセプトモデルの二足歩行ロボット「ASRA C1」(アスラ・シーワン)や、水道橋重工の巨大なロボット「クラタス」、災害時に汎用建設機械(バックホウ)の運転席に乗せて遠隔操作を実現する富士建の「DOKA ROBO/ROBO2」など。
また、Compatible with V-Sidoとしては、不気味の谷を超えたココロの「アクトロイドシリーズ」や、ロボットゆうえんちが運用する上体ヒューマノイド型ロボット「ナビゲーションロボット」などがある。
ロボットで「できること」と「できないこと」
そして、今回新たに発表されたのが人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を遠隔操作する「VRcon for Pepper」(ブイアールコン・フォー・ペッパー)だ。VRcon自体はプロダクトの分類だが、これを利用したVRcon for Pepperや「テレプレゼンス for Pepper」は、Powered by V-Sidoに属する。今回発表されたVRcon for Pepperは、Pepper単体では対応できなかったことを、スマートフォンやタブレット、PCなどからインターネット経由で遠隔操作することにより実現できるようにした。
「Pepperと操作端末とのコネクションには、リアルタイムで双方向通信を実現する『WebRTC技術』を採用しており、これにより遅延が少ない通信が可能です。ユーザーの操作に合わせてPepperが自然に動きますが、これはこれまで培ってきたV-Sidoのノウハウが生かされています」と語るのは、同社の川口 直哉氏だ。
VRcon for Pepperでは、ロボットの動作だけでなく、映像や音声を使ったやり取りもできる。遠隔地にいるオペレータの声を、Pepperのスピーカーから出力したり、オペレータがキー入力した内容を、Pepperで読み上げる機能なども備えている。このようにVRconを使うことで、リアルタイムな動きや会話が可能になる。
VRconがウケた理由について、羽田氏は「VRという面白さもありますが、従来のようにAIでつくり込まない発想がウケたのかもしれません。また発表の時期もちょうど良かったと思います。Pepperで実現可能なことと、可能できないことが、お客様に認識していただけるようになったからです」と振り返る。
【次ページ】「にぎやかし」から「実用」へ、いまのPepperができること
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