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- 2016/06/23 掲載
「日本初ドローン専用飛行支援地図サービス」は安全・安心な飛行環境を構築できるのか
なぜ、いま地図情報のゼンリンがドローン分野に進出するのか?
ゼンリンは、1980年代から地図のデータベース化にいち早く着手し、カーナビゲーション用データや3D地図の作製、地図データのネットワーク配信などを推進してきた先進的な企業だ。そして近年、前述のような自動運転やドローンといった新産業が創出され、そのニーズに応えるために、同社の地図情報もますます重要になっているのだ。
地図をつくるためには、まず測量事業者が測量を行うことになる。しかしゼンリンの立ち位置は、測量事業者ではない。測量事業者のデータを素材として集め、たとえば建物・ビル名、バス停、ホテル、コンビニ、公園、信号などの付加情報を、用途ごとに地図に載せていく地図調製事業者として活躍している。地図調製事業者である同社には、3つの強みがあるという。
同社の深田氏は「1つ目は全国規模の住宅地図、クルマ向けのナビゲーション、3D地図のデータベースを持っていることだ。2つ目はこれらを持続的にメンテナンスする力があること。一度、地図をつくったら、それで終わりというわけではない。延べ28万人の現地スタッフによる人海戦術や、情報収集機器を搭載した専用車両によって、さまざまな情報を集めて常に更新をかけている。3つ目はワンソース・マルチユースの収益構造になっていることだ。たとえば、我々のネットワークであるZGM NWでは、自動運転のデータを階層化し、道路・レーン単位の情報を先読みしたり、経路探索などの情報を提示したりするなど、さまざまな形で情報を提供できる」と自信を見せる。
ドローン普及のカギは安全・安心を担保する仕組みづくり
ではゼンリンは、現在ドローンについて具体的にどのような取り組みを行っているのだろうか? もともとドローンが期待されている理由は、多くの社会課題を解決できる可能性を秘めているからに他ならない。よく言われているような少子高齢化による労働人口の減少問題、災害時や救急医療への対応、自然環境問題などでも活用できる。もちろん政府も本腰を入れており、先ごろ公開された「日本再興戦略2016(案)」でもドローンの活用が明記された。実際に技術開発も急ピッチで進んでいる。内閣府のロードマップでは、2018年には離島や山間部での宅配ドローンの実現、2020年代には都心でもドローンが飛び交う時代を目標にしている。ドローン産業の創出は夢の話ではない。国内のドローン関連ビジネスは、4年後の2020年には1138億円と、現在の10倍もの急激な拡大が見込まれているからだ。
とはいえドローンが一般社会に普及していくために、まったく課題がないということではない。
「昨年は、放射性物質が付いたドローンが首相官邸に故意に落されたり、善光寺御開帳の行事で墜落したり、姫路城で接触したりと事故も多発した。ドローンに対するネガティブなイメージが浸透してしまったのも事実だ。そこで、いま求められているのが安全飛行へのニーズだ。いま業界では、逆に安全な環境を実現できれば、産業利用が可能になるという期待も膨らんでいる」(深田氏)
【次ページ】国内初のドローン専用飛行支援地図サービス「SoraPass」の3つの大きな特徴
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