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- 2016/03/24 掲載
海外子会社含めたグローバル連結経営管理、絶対押さえたい4つのポイントとKPI設定術
グローバル対応、78%の企業は「まだまだ途上」
一方、一般社団法人日本在外企業協会(日外協)の「日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート調査」によると、自社の経営のグローバル化の進捗について、78%の企業は「まだまだ途上である」と回答しており、グローバル化については多くの企業が思うように進捗していない状況ではないでしょうか。
また、グローバル経営を進展させるための本社から見た主要な経営課題については、1位「現地人社員の育成」(73%)、2位「グローバルな人事・処遇制度の確立」(50%)、3位は「日本人派遣者の育成」(43%)という回答結果がでており、海外現地法人の自立と日本法人とのコミュニケーションやガバナンスに関する経営課題が散見されます。
筆者も海外の関連会社と仕事をともにすることがたびたびありますが、現地ローカルスタッフからは「日本法人から出向してくる経営者のビジョンややる気」に疑問があるとの声や、出向している日本人からは「現地ローカルスタッフのロイヤリティ(自社への忠誠度)の低さと高い離職率」により、教えても結局、人が変わってしまっては意味がないという半ばあきらめの声をよく聞きます。
いかに海外関連会社を把握し、グループ全体で利益を創出するか
国ごとに風土や国民性は異なるものの、日本との関係性においてはどこの国でも同様のことが当てはまると考えられ、その課題解決を日本からの出向者に任せるのではなく、会社としての仕組み(経営管理システム)を持つこと、またそれをグローバルで浸透し、実行する明確な組織(海外統括会社)を持つことがひとつの解決策として考えられます。ちなみに、海外統括会社ではなく、日本の本社機能に海外関連会社統括部門を設置している企業もあります。海外統括会社のあり方についてはここでは深く触れませんが、一般的な役割を下図に示します。
このように、グローバルでの人事管理や国際税務など「海外統括会社の機能」は多岐にわたりますが、
- 業績管理/経営指導
- 運用ルール策定
- シェアードサービス提供
といった経営のPDCAサイクルを回す仕組み作りやそれを支えるIT基盤の提供といった、グローバル連結経営を実現する上で、非常に重要な役割を担っています。
グローバル連結経営では、下図のように、いかに海外関連会社(現地法人)の状況を把握し、グループ全体で利益を創出する仕組みを構築するかが重要であり、次にそのポイントについて整理していきます。
【次ページ】経営状況を正しく把握するための4つのポイントとKPI設定方法
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