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- 2015/08/24 掲載
情報子会社に忍び寄る「危機」、将来期待されている業務はIoTか海外支援か
ガートナー松原榮一氏が解説
ガートナー ジャパンにおいて、IT戦略策定、プロジェクトの評価、ITガバナンス、日本版SOX法、ITの財務管理、IT組織、ITリスクの管理、内部統制、IT調達の最適化といった情報システム部門のマネジメント領域を中心に、リサーチと提言を行っている。ガートナー ジャパン入社以前は、日本航空の情報システム部門において、システム基盤の企画、システム開発、データセンターの運用、システム監査等に従事していた。情報システムコントロール協会 (ISACA) 東京支部の設立メンバーの1人である。東京工業大学 大学院修士課程修了 (電子工学科)。
情報子会社に忍び寄る「危機」
そして、先般ガートナーが実施した「2015年版ITサービス・ユーザー調査」(情報子会社を保有する親会社の回答)からは、企業が情報子会社を保有する目的は、「親会社の業務を理解した要員の確保」「親会社の業務改革の支援」「新しいITスキルの獲得」「ITの管理レベルの向上」「IT費用の抑制」「外販による収益拡大」など、以前より多様化している傾向が見て取れた。もちろん、これらはいずれも親会社の方針に基づくものであり、どの保有目的が正しいといった優劣を判断するものではない。
同じく「2015年版ITサービス・ユーザー調査」に寄せられた回答によると、情報子会社の課題としては、「新しいITスキルを持った要員が育たない」「人件費が高くなってきている」「良い要員を採用できない」「親会社の業務知識が不足している」「開発業務の標準化ができていない」といった項目が上位に浮上してきている。
先述の情報子会社の保有目的とこれらの課題を対比させると、「新しいITスキルの獲得」と「新しいITスキルを持った要員が育たない」といったように、関連する項目の相関が高いことがわかる。また、「業務分析等の上流のスキルが不足している」のように、保有目的にかかわらず選ばれている項目もある
これらの課題を解決するには、課題を目的達成の阻害要因として捉え、目的達成に必要な構成要素(イネーブラー)を時間軸に沿って展開することが重要となる。
【次ページ】情報子会社からSIベンダーに発注される再委託化率は●●%以下にせよ
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