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- 2012/04/19 掲載
トヨテック 木村和雄社長:トヨタグループ販売店の構造改革を成功に導いたカギ
シェアードサービス(SS)で市場縮小を乗り越える!
市場縮小を乗り切るため、身の丈にあった経営に踏み切る
トヨタアドミニスタ・グループの販売会社は、東京都内に約250の新車販売店舗と、8000人強の従業員を有するが、市場の後退と共に、新車販売台数はピーク時の半分以下にまで落ち込んだ。
トヨテックの木村氏は、販売店グループが構造改革に踏み切らざるを得なかった背景について「バブル崩壊以降の急激な市場縮小が大きな原因」と語る。実際に国内自動車販売台数の推移を見ると、1990年の約800万台をピークに、2000年には約600万台、2010年には約400万台近くに半減。トヨタ車の販売も同様の傾向を示しており、特に東京地区はバブル後の落ち込みが激しかった。このような市場縮小に伴い、販売店各社は店舗投資や数多くの要員を抱え、固定費の大きさに悩むことになった。
そこで各社はバブル期の拡大政策から大きく方向転換し、自社独自の合理化によって何とか難局を乗り切ろうとした。「まだ当時は(再度)市場が回復するのではないかという淡い期待もあった」(木村氏)という。しかし、2000年以降になっても市場経済は失速し続け、状況は厳しくなるばかりだった。
「もはや自助努力による経営改善策だけでは手直しが難しいとのギリギリの判断」から、トヨタアドミニスタを設立し、グループ経営による本格的な構造改革が進められ、店舗拠点や要員の採用などで思い切ったスリム化が進められた。各社が「身の丈」にあった経営に転換しなければ、今後は存続すら難しいという危機感が広がり、抜本的な経営改善が至上命題となった。
販売店として、競争力は何としても維持しておきたいとの思いが、経営改善の足かせとなり、各社の固定費構造が生み出されて来た現実を、直視せざるを得ない状況を迎えた。
その結果、「販売事業体の構造、体制、あるいは業務体系まで踏み込んだ改革を推進しなければならないという全体の総意ができた」(木村氏)という。集約・統合できるものは最大限まとめ、経営効率を高めることに活路を見出そうとしたわけである。このようにしてグループ経営への基本方針が打ち出された。
基本方針の1つ目は「コスト構造を抜本的に見直し、事業体の垣根を越え、バックオフィスを共有すること」。2つ目は「販売第一線での活力や競争力を維持しつつ、事業縮小に繋がるネガティブな状況を醸し出さないこと」。木村氏は「特に首都圏の特殊な状況が、全国の販売店にまで影響を及ぼさないように、販売体制はあくまで堅持するという揺るぎない方向性を対外的にアピールした」と説明する。
また3つ目の方針として、「新しく設立した持株統括会社が販売事業体本来の運営を妨げないように直接的な関与をさせないこと」という点に配慮した。
そして、いよいよグループ経営体制とシェアードサービス(SS)体制をテコにした固定費改善への動きが始まった。
【次ページ】シェアードサービス化を軸足に、グループ経営への大転換を図る
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