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- 2012/05/18 掲載
グローバル展開での本社の役割は?GHQとRHQの権限委譲・業務移管における最適解
地域統括機能を強化するターニングポイントを探る
地域統括会社が今後保有すべき機能は、法務/知財、広告/マーケティングなど
野村総合研究所は2012年1月、日本に本社を置く製造業/建設業/運輸業を中心とした連結売上高500億円以上の企業1409社を対象に「グローバル本社機能のあり方に関するアンケート調査」を実施、うち145社から有効回答を得た。その結果によれば、10年前に比べてGHQ(Global Headquarters:本社組織あるいはその機能)が担う業務が増えたと回答した企業は66.9%、またコストや人員数が増えたと答えた企業は46.9%にのぼった。
「近年では多くの企業でGHQの重要性が高まっており、同時にコスト効率をまだまだ高めていかなければならないということを課題として認識しているようだ。」(国井氏)
次にRHQ(Regional Headquarters:複数法人を傘下に持つ地域総括会社や組織あるいはその機能)の設置状況について、海外売上比率が30%を超えてくると、60.0%の企業が1つ以上のRHQを持つ。海外売上比率50%以上になると、それが82.1%にものぼった。
「日本本社だけではグローバル拠点を管理し切れないという状況があり、海外売上比率が30%以上になると、RHQの必要性が飛躍的に高まることが見て取れる。」(国井氏)
RHQが管轄する地域(必ずしもRHQが設置されている地域ではない)としては、北米(59.4%)、中国(57.8%)、西欧(56.3%)がトップ3。特に中国については、従来の生産機能としてだけでなく、マーケットとしての重要性も非常に高まってきており、管轄対象としても重要視されているという。
「中国は1つの国ではあるものの、省ごとに法律も税制も異なる。各省の政府に対して働きかける必要もあり、日本から管理することはかなり難しいのだろう。」(国井氏)
また今後RHQが保有すべき間接機能としては、約4分の1の企業が法務/知財、監査、企画を挙げ、一方、保有すべき直接機能(=バリューチェーン上の機能)については、いかに効率的、効果的にモノを売っていくかという観点からの広告/マーケティング機能、現地に合ったモノを作るという観点からの開発、そして物流/ロジスティクスという機能が高い割合を占めている。
さらに海外拠点における中期戦略や計画をどう作っていくかという点については、海外売上比率が30%以上になると、RHQ側が主体的に策定、あるいは現地経営責任者が主体的に策定する割合が27.5%になり、海外売上比率50%以上になると、それが60.8%にもなるという。
また策定計画の実行評価については、海外売上比率が30%を超えてくると、売上や利益などの財務指標だけでなく、マーケットシェアやオペレーションプロセスという非財務的な業績指標を用いた管理の割合が高まり、特に海外売上比率50%以上では42.9%の企業が財務/非財務の評価指標をバランスよく多面的に用いている。
人材登用についても、海外売上比率が高い企業ほど、現地で採用した社員を日本の執行役員クラス、さらには世界本社のCEOやCOOにまで登用していきたいと考えているとのことだ。
【次ページ】現地企業への権限委譲、業務移管はどう進めるべきか
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