「MADE IN TOKYO」は、単なる組立の短期化だけでなく、日本企業の求める世界的にみても高い要求に、いかに早く製品に反映させられるかを同時に果たすことが目的だったのである。
日本HPのPCサーバにおける3つの生産方式
ここで、同社のPCサーバの3つの生産方式、CTO(Configure To Order)、BTO(Build To Order)、BTS(Build To Stock)について、それぞれの特徴を説明しておこう。
1.CTO(Configure To Order):注文仕様生産
ユーザー企業の希望スペックにもとづいて生産する「注文仕様生産」と呼ばれる方法だ。日本国内のCTO製品はすべて昭島工場で生産される。すべての組み合わせはユーザーの注文次第で作り上げられる。外食でいえば「Subway」のようなイメージだろうか。同社の直販Webサイト「HP DirectPlus」で提供されるダイレクトパートナー(直販のスタイルだが、ダイレクトパートナーという販売店に商流が流れる)のモデル製品は、すべて昭島工場で生産されることになる。昭島工場の生産量は日本国内のHPサーバの実に半分を占めている。
2.BTO(Build To Order)標準製品注文
注文があってから、シンガポール、中国で生産し、それを持ち込んで作るもっとも一般的な生産方式だ。外食でたとえるなら、「モスバーガー」に似た方式といえるだろう。ただ、日本ではほとんど行っていない生産方法となる。
3.BTS(Build To Stock)計画生産
ある程度見込みのある製品をあらかじめ大量に作り置きしておく方法だ。外食にたとえれば「マクドナルド」のような生産方式だが、現在日本ではほとんど行っていないという。