- 2015/10/02 掲載
5年後のIT部門の役割、「従来のITの維持」はたった9.6% デジタル・ビジネスは7割準備
ガートナーが定義する「デジタル・テクノロジー」とは、モバイル、クラウド、インフォメーションとビッグ・データ、ソーシャルの4つの「力の結節」(Nexus of Forces)、さらにモノのインターネット (IoT)、スマート・マシンなど新しく革新的なものを中心とした幅広いテクノロジー群を指す。
ガートナーが定義する「デジタル・ビジネス」とは、「デジタルの世界と物理的な世界の境界を曖昧にすることによって、新しいビジネス・デザインを創造すること」と定義している。これは、デジタル・テクノロジーを用いてビジネスの仕組みを変革することを意味している。
ステージ 1: アナログ
ステージ 2: Web
ステージ 3: E-Business
ステージ 4: デジタル・マーケティング
ステージ 5: デジタル・ビジネス
ステージ 6: オートノマス (自律型)
ガートナー ジャパンは2日、日本企業のデジタル・ビジネスに向けた準備状況に関する調査結果を発表した。これによると、回答者の70.7%が「デジタル・ビジネスへの準備を進めている」ことが明らかになった。とはいえ、全社的な活動となっている割合は全体の2割にとどまり、IT部門またはビジネス部門が単独で準備しているケースが、それぞれ16.5%、11.1%という結果となった。
調査は、2015年7~8月にガートナー ジャパンが国内の企業を対象に実施。ユーザー企業、ベンダー企業の双方を含む日本企業がデジタル・ビジネスへの準備状況やIT部門の将来の役割をどう捉えているかについて尋ねた。有効回答者数334人のうち、多くはIT系の業務に携わる層であり、ユーザー企業とベンダー企業の割合はおおむね7対3となった。また、17%は経営層だった。

注:丸め誤差により数値を合計しても100%にならない。
また、IT部門の5年後の役割について質問したところ、「従来のITの維持」という回答は全体の9.6%にとどまった。一方、回答者の80.8%が「少なくとも、全社に向けたテクノロジー共通基盤を担うとともにテクノロジー活用、クラウド、セキュリティに関するガバナンスの役割を担うべき」と考えていることが明らかになった。
この場合、IT部門の管理下ではあるが、ビジネス部門が単独でテクノロジーを応用したビジネスの革新を進められることになる。
また、回答者の51.8%が、「IT部門はビジネス部門が進めるテクノロジー活用に深く関与すべき」と回答している。この場合は、デジタル・ビジネスの実現に向けてIT部門とビジネス部門が協力してテクノロジー活用を進めることになる。
IT部門がデジタル・ビジネスへの対応を進めていくために必要なものについて尋ねた調査結果では、「人材育成/登用」「テクノロジー活用の知識/ノウハウの蓄積」「テクノロジー活用に向けた経営戦略の立案」の3つ が最も多く選ばれた。
また、ベンダーに期待することとしては、「複数のテクノロジー/クラウドのビジネスへのインテグレーション」「テクノロジー/クラウド活用ができるアーキテクチャ整備に向けた支援」「IT部門に向けたデジタル・ビジネス拡大への包括的支援」といった項目が上位に並んでおり、回答者がデジタル・ビジネスを進めていく上で、その核心ともなるべき点について、ベンダーの力も求めていることが明らかとなった。
本調査の詳細などは、10月28~30日に東京・台場で開催する「Gartner Symposium/ITxpo 2015」で紹介されるという。
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