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- 2022/12/20 掲載
「世界のTikTok」がライバル視するSNSは何がスゴイ? 大手ECがこぞって真似する仕組みとは
バイトダンスが本気で警戒、「小紅書」の急成長ぶり
ショートムービープラットフォーム「TikTok」を運営し、中国では国内版TikTok「抖音」(ドウイン)を運営する中国バイトダンス。同社が最も警戒しているライバルが「小紅書」(シャオホンシュー、RED)だ。2021年初めに開催されたバイトダンス社内の戦略会議で、中国エリアCEOの張楠氏は「なぜ小紅書は急成長しているのか?」と問題提起し、小紅書対策チームを設置したという。
抖音は国民的サービスとして、若年層から中年層までを取り込み、2021年5月に月間アクティブユーザー数(MAU)6億人を突破したが、それ以来1年以上、7億人の壁を突破することができず足踏みをしている。
一方、小紅書は2014年にサービスを開始し、2018年にMAU4000万人を突破すると、そこから急成長を始め、現在は1.6億人に達している。バイトダンスとしては「抖音が足踏みをしているのは、本来抖音にくるはずだった利用者が小紅書に流れているのではないか」という仮説を立てているようだ。
バイトダンスが特に警戒しているのが、アクティブユーザーの1日あたりの利用時間だ。抖音は2022年5月のデータでは104.0分。一方、小紅書は急成長が始まる2018年には26.48分だったが、2021年には55.31分まで伸びている。3年間でMAUは4倍、利用時間は2倍になっているのだ。
主要テック企業がこぞって対抗心を燃やすワケ
小紅書を警戒しているのは、バイトダンスだけではない。抖音と同じくショートムービープラットフォームの「快手」(クワイショウ)は、数度にわたって小紅書のデータ分析部門の見学をしている。さらにアリババもEC「淘宝網」(タオバオ)内に小紅書そっくりのサービス「逛逛」(グワングワン)をスタートさせ、テンセントも小紅書そっくりのサービス「企鵝恵買」のテスト運用を始めている。なぜ、各テック企業は、利用者数は自社サービスよりもはるかに小さい小紅書を警戒するのだろうか。
小紅書は、俗に「中国のInstagram」と言われるほど、見た目がInstagramに似ている。写真とテキストあるいは動画で構成された記事を投稿し、利用者は気に入った人のフォローをすることで記事が読めるというSNSだ。一見すると、Instagramの露骨な中国版コピーサービスのように見えてしまうかもしれない。
しかし、Instagramにはない優れた特長がある。
【次ページ】大手がこぞって真似する、Instagramにはない「小紅書」の特長
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