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- 2022/10/12 掲載
アップルが「ポッドキャストスタジオ」と次々提携する理由、オリジナルコンテンツ強化へ
アップル、ポッドキャストスタジオと提携
この数年、急速にユーザーを拡大してきたポッドキャスト市場。音声コンテンツ向けの広告テクノロジーの普及などが追い風となり、ポッドキャスト市場(米国)の規模は、2022年に20億ドル、2024年に40億ドルと今後さらに拡大することが見込まれている。「ポッドキャスト」はもともとアップルが普及させたコンテンツ形態だが、ポッドキャスト市場における同社の存在感はそれほど強くなく、むしろSpotifyなどがけん引するのが現状だ。
しかし、目立たないものの、ポッドキャストに関して次の一手を睨み、アップルは次々とポッドキャストコンテンツ制作会社との提携を加速しつつある。
直近では、アップルはピューリッツァー賞を受賞したFuturo Studioとオリジナルコンテンツ制作で提携。ブルームバーグの報道によると、同提携はアップルのポッドキャスト部門ではなく、アップルTV部門によってなされたものという。アップルはこのところ、人気ポッドキャスト番組のテレビシリーズ化を狙い、複数のポッドキャスト制作会社と提携しており、Futuro Studioとの提携もその一環とみられる。
アップルはこのほかにもAt Will Media、Campside Media、Jigsaw Producitonsなど多数のポッドキャストスタジオと提携し、計1,000万ドルほどを投じたと報じられている。
ポッドキャストのテレビシリーズ化で成功した事例
米国では、成功事例が増えるに伴い、人気ポッドキャストコンテンツをテレビシリーズ化する流れが強くなりつつある。成功事例の1つとして挙げられるのが「The Dropout」だろう。
次世代血液検査技術の医療スタートアップとして注目を集めたが、詐欺であることが発覚したセラノス社とその創業者エリザベス・ホームス氏の実話に基づくポッドキャストシリーズだ。
もともと米メディアABCがポッドキャストとして配信していたが、2022年3月に動画ストリーミングプラットフォームHuluにてテレビシリーズとして放映され、プライムタイム・エミーショーでは6部門でノミネートされるなど多くの反響を呼んだ。
ポッドキャスト配信が開始されたのは2019年1月だが、同年4月にはHuluがテレビシリーズ化に向け取り組みを始めた。全8回に渡る同テレビシリーズは、2022年3月3日から2022年4月7日にかけて配信された。
フォーブスが2022年4月に報じたニールセンのデータによると、The Dropoutテレビシリーズは、配信動画として1週間トップ10内に滞在。最初3話の総視聴時間は2億5,500万分、約170万世帯が視聴したという。
このほかポッドキャストからテレビシリーズ化し注目を集めたコンテンツとして「Slow Burn」「WeCrashed」「The Shrink Next Door」「The Things About Pam」などが挙げられる。
【次ページ】高成長続くポッドキャスト市場
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