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  • 2021/03/23 掲載

「1on1」を重視するリーダーがしている盛大な“勘違い”

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一般的に、組織においてリーダーは部下を評価する立場にあり、正しい評価のためには「平等に見ること」が求められます。識学 代表取締役社長 安藤 広大氏は、「リーダーは自分が立っている『位置』について考える必要がある」と話します。多くの企業が取り入れている「1on1(ワンオンワン)ミーティング」はダメなマネジメント法と断言する同氏が、その理由を「正しいほうれんそう」の仕方とともに解説します。

識学 代表取締役社長 安藤 広大

識学 代表取締役社長 安藤 広大

1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社のジェイコム株式会社(現:ライク株式会社)で取締役営業副本部長などを歴任。 2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。 2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために株式会社識学を設立。 人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11カ月でマザーズ上場を果たす。2021年1月現在、約2000社の導入実績がある。 主な著書に『伸びる会社は「これ」をやらない!』(すばる舎)などがある。

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1on1(ワンオンワン)ミーティングで部下に寄り添うリーダーがしている勘違いとは?
(Photo/Getty Images)

本記事は『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)を再構成したものです。


リーダーは「お願い」をするな

 平等とは、対等という意味ではありません。「位置を明確にしたコミュニケーション」を部下たち全員にできているかが大事です。

 たとえば、部下に仕事を任せるとき、次のような言い方をしていないでしょうか。

「時間があるときで構わないので、資料まとめておいてくれない?」
「やりたくなかったら断ってくれていいんだけど、この仕事できるかな?」

 これらは、典型的な「位置」を間違えた言い方です。平等と対等を混同しています。特にプレーヤー気分が抜けない若手リーダーが言いがちです。これが間違っている理由は、2つあります。1つめは、「決定権が部下にあること」。2つめは、「責任の所在を曖昧にしていること」です。

 1つめの決定権が部下にあるのは、すぐにわかるでしょう。「いま、ちょっと忙しいんです」「やりたくありません」と、簡単に断ることができてしまうからです。大事なのはもうひとつの「責任の所在」です。本来は、指示に対しての実行責任が部下にもあり、実行の結果責任は上司にあります。

 部下に決めさせるような言い方なので、結果が悪かったときに、「実行することを決めたあなたが悪い」「引き受けたのに、なぜうまくいっていないんだ」と、後から部下に責任を押し付けることができてしまいます。

 先ほどの言い方は、指示ではなく「お願いごと」です。対等な関係、もしくはお願いされたほうが上の立場になってしまうような言い方です。こういった位置を間違えたコミュニケーションを、徹底的になくさなければいけません。


「正しいほうれんそう」とは?

 「位置」の概念は、気づくと忘れてしまいがちです。そうならないために、日常的に上司と部下の「位置」を部下に確認させる方法があります。

 それが、「ほうれんそうによる管理」です。ほうれんそうとは、報告・連絡・相談です。ここでは、報告と連絡について見ていきます(「相談」については取り扱い注意なので後述します)。

 昨今の流行では、ほうれんそうは不要で「部下たちが自主的に行動すること」がもてはやされています。

 しかし、その方法では、「成長する人はどんどん成長し、ダメな人はずっとダメなままで放置する」という事態を引き起こします。

 識学の考えには、「実行すれば全員が成長できる」が前提にあります。その上で、ほうれんそうは有効な方法だと考えます。

 なかなか結果が出ない部下には、「ほうれんそうによる管理の回数を増やす」という方法をとります。結果が出てきたら徐々に回数を減らしていくのが正攻法です。

 部下から見ると、ほうれんそうは億劫(おっくう)になることがあります。

「できていないと怒られるんじゃないか」
「褒められるときだけ報告したい」

 というように、感情が絡んだ「見えないハードル」があります。スムーズに「ほうれんそう」をさせるためには、その場で褒めたり叱ったりせず、「機械的に事実だけを聞く」というリーダーの態度が必要です。

 報告したことに対して、「もっとやれよ」「いいじゃないか」と感情的な評価をしてしまうと、誰だって報告も連絡もしなくなります。

【次ページ】1on1ミーティングが「ダメな方法」と言えるワケ

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