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  • 2019/02/08 掲載

HRテックスタートアップ16社、採用や社内教育に生かす国内外の最新ツールとは

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人事領域でテクノロジーを活用する「HRテック」が注目を集めている。HRテックは大きく「採用データの一元管理・可視化」「求職者と企業のマッチング最適化」「煩雑な人事業務の自動化、効率化」「社内コミュニケーション活性化」などに分けられ、それぞれのカテゴリーにおいて多種多様なプレイヤーが続々出現している。本稿では、数あるHRテック・スタートアップの中から、J-Startup選定企業およびデロイト トーマツ イノベーションサミット参加企業などをもとに注目すべきスタートアップを16社ピックアップし、その事業内容や創業者の経歴などとともに紹介する。
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HRテックは採用や社内コミュニケーションを大きく変える
(©Sikov - Fotolia)

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Bizer:バックオフィス業務を一元管理できるクラウド型プラットフォーム

 総務・人事労務・経理までバックオフィス業務を一元管理できるクラウド型プラットフォーム「Bizer」を運営している企業。

 創業者の畠山友一氏は、リクルートを経てGREE子会社の社長になった経歴を持つ。同氏はリクルート時代、中小企業向けの業務支援をする中でバックオフィス業務の非効率さに問題を感じていた。また起業家が起業する過程でバックオフィス業務に時間・資金などのリソースを奪われている現状を知った。そこでバックオフィス業務を効率的に遂行できるクラウド型プラットフォームを設立することにした。

 Bizerでは、ユーザーの登録情報をもとに総務・人事労務・経理の遂行すべき業務を通知し、ユーザーはそれらの業務を完了するのに必要なTo-doを手順に沿ってこなすツールを提供。また、困ったことがあれば、税理士、社会保険労務士、司法書士などの専門家にオンラインで相談可能だ。関係者と共有しなければならない情報やファイルはクラウド上で共有できる。

 同社は2015年10月、セールスフォース・ベンチャーズ、インキュベイトファンドより1億円の資金調達を実施している。

https://bizer.jp/



ClipLine:動画を活用した情報共有ツールを提供

 動画活用で業務内容やノウハウを効率的に共有できるクラウドサービス「ClipLine」を提供している企業。

 創業者の高橋勇人氏は前職の経営コンサルタントで回転ずしチェーン「あきんどスシロー」の経営改革に参画した経歴を持つ。同氏は、あきんどスシローにおいてコミュニケーションの非効率さを目の当たりにする。現場においては、あいさつや調理、清掃など体を動かした業務がほとんどだ。しかし、テキストでそれらの業務内容を共有するのは難しいことに気づいた。そこでより効率的に分かりやすく伝える手段として、動画を活用した情報共有ツール「ClipLine」を開発することにした。

 ClipLineには、「クリップ」と「ToDo」と呼ばれる機能がある。クリップでは、接客対応や調理のお手本、企業オーナーによる理念の共有などを動画で行うことができる。ToDoでは、スタッフに実施してほしいアクションを完了条件として、マニュアルの視聴や実際にやっている場面の撮影、マニュアルとの比較・投稿、管理者からのレビューなどを行うこと可能だ。

 同社は2018年3月に産業革新機構とアニヴェルセルHOLDINGSから総額6.1億円の資金を調達している。

https://clipline.com/



Empricial Hire:AIを活用してハイパフォーマーを発掘

 AIを活用した採用管理システムを開発・提供している企業。

 創業者のGal Sagy氏は軍隊入隊前の準備トレーニング期間の兵士を評価する業務を担当していた。同氏は準備トレーニングにおける評価と軍隊入隊後の兵士のパフォーマンスの高さ、勤続年数、昇進とに相関があることを発見した。そこから「Empricial Hire」のアイデアが生まれた。

 Empricial Hireの採用管理システムでは、求職者は10分間のアンケートを受ける。その情報を基にAI(人工知能)が求職者の強みや弱み、自社とマッチしているかどうか、長期で勤務しそうかどうかなどを分析し、その結果をレポートで閲覧できる。

 AIは、自社で勤務している従業員から収集したパフォーマンスデータを分析して活用している。高いパフォーマンスを発揮し、かつ勤続年数の長い社員の傾向を算出、その求職者がハイパフォーマーになりうるのかどうかを予測する。さらにAIはパフォーマンスデータを継続的に収集していくことでマッチングの精度を高めていく。

 企業はEmpricial Hireの採用管理システムを導入することで、業務にマッチした人材を探すことが容易となり生産性が高まるという。また早期退社による損失を防ぐにも効果があると、同社は説明する。

https://www.empiricalhire.com/

Fringe81:従業員同士が評価して成果給を送り合うサービスを提供

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 Fringe81は「クライアントグロース」「メディアグロース」「SaaS」の3つの事業を軸にさまざまな製品やサービスを展開する企業。その子会社であるUniposでは、従業員同士が評価し合い、成果給を送り合う「ピアボーナス」を実現する「Unipos」を開発・提供している。

 Uniposは、月1回従業員同士がお互いの良いところを発見し合い評価する「発見大賞」というFringe81の社内イベントが誕生のきっかけ。同社では社員の数が増えるにつれ、社内の意思疎通が困難になっていた。そこで意思疎通の機会として考案されたのが、発見大賞だった。ただ、月に1回の割合で従業員全員を評価することは困難だった。そこで、従業員同士がリアルタイムで評価し合える仕組みとして考案されたのが、Uniposである。

 Uniposでは、企業が一定額の「おくる」ポイントを週ごとに従業員に分配。ほかの従業員を評価したい場合、そのポイントをメッセージと共に贈ることができる。受け取ったポイントは企業ごとのレート(1ポイント/○○円)で変換されて成果給として支給される。また、SlackやChatworkなどのチャットツールと連携して利用可能。これまでにメルカリ、マイナビ、Retty含む100社以上の企業が利用している。

http://www.fringe81.com/
https://unipos.me/ja/

Hachidori:チャットボットを簡単に作れる開発ツールを提供

 チャットボット開発ツール「hachidori」、アルバイト業務管理アプリ「CAST」などを開発・提供している企業。

 創業者の伴 貴史氏は新卒で投資銀行に入社、その後ペットサービスで起業。そのサービスを運用する中でペットオーナー同士のコミュニケーションツールにチャットボット機能の追加することを検討した。同氏はチャットボット機能を作るのは煩雑であり、もっとチャットボットを簡単に作れたら良いと感じた。また、当時はWeChatがチャットボットを強化するなどチャットボット流行の兆しもあったという。

 そこでチャットボットを簡単に作れるツールとして開発したのが、Hachidoriだ。「hachidori」では、プログラミングの知識なしで、プラットフォーム上でチャットボットを作ることができる。

 さらに、チャットボット開発のノウハウを生かして生まれたのが、アルバイト業務管理アプリであるCASTだ。CASTではシフト管理、給与管理をスマホ店長(チャットボット)が代行する。またバイト同士のチャットや欠員が出た店舗の他店舗へのヘルプ依頼などもアプリ上ですべて実行できる。

 2018年7月にディップが8.2億円の資本参加を発表しているほか、2018年10月にみずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、パーソナルHDから資金を調達している。

https://hachidori.io/

画像
hachidoriでのLINE Button設定画面イメージ
(出典:hachidori)

i-plug:企業と相性の良い学生をAIがマッチング

 企業から学生に直接オファーを送れる新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」を運営している企業。

 創業者の中野智哉氏は大学卒業後、求人広告会社に就職し求人広告業に従事してきた。その後グロービス経営大学院に入学し、そこで出会った仲間とビジネスアイデアを考案。最終的には新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービスのアイデアで起業することを決定した。

 OfferBoxでは学生は幼少期から現在まで自分のしてきたこと、興味・関心などの情報をプロフィールに記入する。文章のみならず動画、スライドなども掲載できる。そのプロフィールの情報をもとにAIが学生と企業とのマッチングを図る仕組みだ。企業と相性の良い学生が表示され、企業はその学生のプロフィールを参考にして学生にオファーを送ることができる。

 OfferBoxでは、あえてオファー枠に制限を設けている。こうすることでプロフィールを閲覧することなく一斉送信でオファーを送っている通常の大手ナビサイトと差別化を図っている。これが優秀な学生をOfferBoxに集めることにつながっているという。

 企業は学生ごとに1通1通オファーを送って学生との相互理解を図る。学生がオファーを承認すると学生と企業間でメッセージのやり取りがスタートし、面談や選考に進む。OfferBoxの導入費は無料で成果報酬型を取る。コクヨ、住友、Sansan、NTTスマートコネクトなどが導入している。

http://i-plug.co.jp/



one visa:外国籍従業員のビザ申請・管理を効率化

 外国籍従業員のビザ申請・管理を効率化するプラットフォーム「one visa」を運営している企業。

 創業者の岡村アルベルト氏は、南米ペルー出身。岡村氏は小学校の時、ビザの更新ができておらずペルーに強制送還される友人を見てきた。大学を卒業して入国管理局に勤務した後、「すべての在日外国人がビザ手続きを簡単に安価にできるように」との思いからビザ申請・管理を効率化するプラットフォームであるone visaを作った。

 one visaでは、企業の外国人従業員の情報をクラウドで一元管理する。ビザ申請のタイミングがやって来ると人事などの担当者に通知する。さらに外国人従業員のメールアドレスを入力するだけでビザ申請に必要な情報を自動で収集し、必要な書類についてもシステムが自動で選定する。

 ビザの申請を行政書士に頼む場合、one visaと提携している行政書士に安価で依頼可能。従来、専門知識や手続きが必要となって煩雑だったビザ申請を迅速に行える。2017年、プライマルキャピタル、SkylandVenturesから総額3600万円の資金調達を実施している。



POL:理系学生に特化したリクルーティングサービスを展開

 理系学生に特化したダイレクトリクルーティングサービス「LabBase」を運営している企業。

 創業者の加茂倫明氏は東京大学工学部に入学後、大学の理系の先輩から研究が忙しいために就職活動が十分にできないという不満を聞いていた。優秀な理系学生ほど研究が忙しいために企業訪問の予定がなかなか合わず、推薦でいける企業に就職してしまう傾向があった。また、企業にとっても、採用市場に出て来ていない優秀な理系の学生にアプローチするのは難しい現状だった。そこで加茂氏は理系学生と企業とをつなげるダイレクトリクルーティングサービスを設立することとなった。

 2018年12月時点で、LabBaseには旧帝大を中心に上位10大学の理系学生の4人に1人が登録しているという。

 LabBaseのWebサイトは理系学生に特化してデザインされているため研究概要、スキル、学外プロジェクトなどのプロフィールが充実している点も特長だ。企業側はこれまでアプローチが難しかった優秀な理系学生にLabBase経由でアプローチできる。

 2017年4月にサイバーエージェント・ベンチャーズ、Draper Nexus、Beyond Next Venturesやエンゼル投資家から総額5000万円の資金調達、2018年11月にエンゼル投資家から資金調達(金額非公開)を実施している。

https://pol.co.jp/

【次ページ】ここまで前半8社、次ページから後半8社を紹介
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