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  • 2024/01/05 掲載

テック業界の人気“就職先ランキング”、1位はGAFAMでない「あの企業」、その秘訣とは

連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤

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米テック業界で仕事を得るのは狭き門だが、その競争はますます苛烈になっている。そうした中、米IT大手各社への求人応募人気ランキングが明らかになった。意外なことに、最も人気なのはGAFAMではなく日本でも有名な「あの企業」であった。このランキングからIT各社の企業文化や米労働市場について何が読み取れるのか、分析する。

執筆:在米ジャーナリスト 岩田 太郎

執筆:在米ジャーナリスト 岩田 太郎

米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。

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米テック企業の求人応募はどこが人気か? 1位は誰もが知るあの企業(後ほど詳しく解説します)

まずは「GAFAM」の順位を確認

 今回の年次調査を実施したのは、履歴書作成などで求人応募者のキャリア積み上げを支援するResume.ioだ。2023年10月に発表した番付は、LinkedInに有力企業が出稿した求人1件に対し、1カ月の期間中に1日何件の応募があるかを計測。その平均値を割り出したものだ。

 その集計結果から見えてきたのは、アマゾンやマイクロソフト、メタ・テクノロジーズ、グーグル、アップルのGAFAM人気の高さだ(図1)。

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図1:ランキングからGAFAMを抽出。求人応募の人気度にどのような差が見られるか?
Resume.ioより編集部作成)

 まず、2位につけたアマゾンは求人1件につき1日あたり73.25人が応募していた。同社の採用方針である「優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために積極的に活用」が人材を引き付けるのだろうか。

 これに、3位のマイクロソフトが57.9人、4位のアップルが53.74人、高給で知られるメタが5位の52.42人で続く。グーグルを傘下に持つアルファベットは意外なことに8位で32.65人にとどまった。

アマゾンやグーグルは“どこから”来て“どこに”転職するのか?

 人材の流動性が高い米テック業界だが、これらGAFAMへの就職者はどの企業から「引っ越し」をしてくるのだろうか。

 2023年11月に米調査企業Switch on Businessが2007年から2022年の数字をまとめた調査によると、その15年間にアマゾンへ転職した従業員の供給元で1番規模の大きかったのはマイクロソフトで6089人だった(図2)。これは、本社が同じシアトルであることが関係しているかもしれない。

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図2:アマゾンは、転職元の数でマイクロソフトが多く、転職先の数としてはグーグルが多い
Switch on Businessより編集部作成)

 一方、アマゾンから次の会社へ転職した際に最も多かった企業はグーグルで、8023人が移っていた。アマゾンからの転職先の2位はマイクロソフトであり、5837人である。両社の間では、ほぼ同じ人数が入れ替わっていたことになる。

 翻って、特異なのがグーグルだ。企業モットーの1つが「スーツがなくても真剣に仕事はできる」だが、転職してくる従業員の数が、流出する人数よりも圧倒的に多い(図3)。

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図3:グーグルの場合は流出数よりも流入数が圧倒的に多いのが特徴
Switch on Businessより編集部作成)

 2007年から2022年の間にマイクロソフトから1万2018人が流入する一方、マイクロソフトへ流出したのは2690人に過ぎない。待遇面などでより魅力的である可能性を示唆している。

 ここまでGAFAMへの就職希望者の人気ランキングや、GAFAM内での転職パターンの一部を見てきたが、ここからは米テック業界全体の就職先人気ランキングに話を戻そう。

 まず、7位にEV大手のテスラが入っていることが目を引く。「仕事の鬼」と恐れられるイーロン・マスク氏が総帥として率いる企業だが、従業員に対するストックオプション(持ち株付与)などが魅力なのかもしれない。意外なのは、AIブームの中で今を時めくNvidiaが11位にとどまったことだ。もう少し時間が経過すれば順位が上昇する可能性がある。

 そして、調査結果で最も注目されるのは、1位がGAFAMではなかったことだろう。求人1件に対し、1カ月の期間中に1日84.87件もの応募を集めて人気ランキング1位に輝いたのは、「あの企業」だった。

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次のページでは1位の企業を示しつつ、人気である秘訣がどこにあるのか分析します
【次ページ】1番人気は「あのコンテンツ企業」、秘密は「5つの指針」

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