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- 2018/12/28 掲載
なぜ日本政府は戦闘機「F-35」を追加購入するのか? 新大綱と中規防から読み解く
STOVL機「F-35B」の調達を明言
新大綱の中で具体的なのは「別表」で、航空自衛隊の基幹部隊が戦闘機部隊13個飛行隊、作戦用航空機370機(うち戦闘機約290機)とされており、さらに「注」として「上記の戦闘機部隊13 個飛行隊は、STOVL機(短距離離陸垂直離着陸機)で構成される戦闘機部隊を含むものとする」という記述が付けられました。これは今までの大綱にはなかったもので、また前大綱では戦闘機飛行隊の数は同じ13個でしたが、作戦用航空機は約360機(うち戦闘機は約280機)だったので、10機増加しています。
中期防でF-35に関する記述を見ると、期間中の調達機数については、「F-35A 45機」とされており、こちらも「注記」があり「戦闘機(F-35A)の機数45機のうち、18機については、短距離離陸・垂直着陸機能を有する戦闘機を整備するものとする」とされています。
F-35を追加するか否かを決断する時期だった
また、2019(平成31)年度の概算要求には6機分の経費が入れられているので、このままこの機数が承認されれば累計で40機となり、42機の計画達成まで「2機を残すのみ」となります。
すなわち、F-35Aについては、「この先、さらに追加するか否かを決定しなければならない」時期にきていたのですが、今回、さらに追加するとともに、STOVL型のF-35Bの導入も決めたのです。
F-15J/DJを近代化改修する手もあるが……
STOVL型については後述しますが、F-4EJ改の後継としてのF-35Aの導入が終われば、次には「F-15J/DJの後継機問題」が近づいてきます。航空自衛隊のF-15J/DJは、1981(昭和56)年の導入開始以来、いくつかの改良プログラムを受けています。初期に実施されたものは「日本版多段階能力向上(J-MSIP)」と呼ばれるもので、その名称が示すように、国内開発した電子戦システム装備の充実化や兵器システムのデジタル化、兵器操作セットをプログラム可能型にするなどの改良と能力向上が段階的に行われました。
1997(平成9)年度から開始されたのが、より抜本的な能力向上を目的とした「近代化改修」で、レーダーの新型化、ミッション・コンピューターの高性能化などが実施されており、最終的には統合電子戦装置の装備も行われています。
【次ページ】なぜF-35に置き換えるのが妥当なのか
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