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- 2025/04/26 掲載
飛行機が遅れる原因「あなた」かも……? 知って得する“大手航空会社の遅延実態”
連載:北島幸司の航空業界トレンド
こんなにある遅延の要因……それでも優秀な“日系大手”
始めに、飛行機遅延の主な要因を見ていこう。-
気象要因
飛行機の運航は、まさに天候と表裏一体だ。特に始発地の空港と到着地の空港、そのほか航路上の天候も運航に影響がでる。雷、風、雨、雪、霧などの悪天候。濃霧、スモッグ、黄砂などの視界不良。長時間の空港閉鎖や運航停止となる台風など要因はさまざまだ。 -
空港・管制の要因
離着陸機の順番待ちとなる誘導路と滑走路の混雑。前の便が遅れ、機材が到着できないゲート不足。さまざまな要因による飛行制限、工事、ストライキなどの空港運用の制限がある。空域の混雑、管制制限、経路変更などの管制指示による遅延もある。 -
飛行機の運航・整備関連
前便の遅延が影響する機材繰り。航空機材の故障による整備。貨物・燃料の積み直しによる飛行機の重量調整なども発生する。 -
航空会社の運用要因
会社員に残業があるように乗務員にも1日の乗務時間制限がある。乗り継ぎ遅延やクルー不足による乗務員関係。貨物、郵便、燃料、食事、サービス品の搭載遅れがある。 -
セキュリティ・規制関連
空港の制限エリアに入る時の保安検査の強化。国際線の場合は、税関・入国審査の遅れ。爆発物検査・不審物対応による遅れもある。 -
乗客関連
搭乗者の空港到着遅れ、搭乗手続きの遅れ、乗り継ぎ客の待機、搭乗ゲート到着遅れ、体調不良の乗客の発生や手荷物トラブルも遅延の要因になる。遅れを感じるのは乗客なのだが、その本人が遅延を引き起こしていることも。
ここまでの理由がありながら航空会社の定時性確保への努力は並大抵のものではない。それは数字にも表れていて、国土交通省航空局が公開する「航空輸送サービスの比較等に関する情報」において日系航空会社各社の定時性がわかる。
2023年度通年の「全体の便数に占める出発予定時刻以降15分以内に出発した便数の割合」はJALが84.75%、ANAでは83.47%を記録している。想定よりも高い数字だと思う人が多いのではないだろうか。
次に、乗客が引き起こす飛行機の遅延要因を6つ紹介しよう。もしかしたらあなたも、知らない間に「その行為」をやっているかもしれない。 【次ページ】あなたもやっているかも?乗客による遅延の要因
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