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- 2018/11/05 掲載
IBMのRed Hat買収、“成否”を分ける「クラウド移行の担い手」
「RHEL」ユーザーは「コンテナやクラウド」に前向き
2018年10月29日(日本時間)、IBMがRed Hatの買収を発表した。IBMがRed Hatのこれらの資産を自社のIaaS/PaaS関連ビジネスにどう生かすか? が買収の「成否」につながる。
以下のグラフはノークリサーチがまとめた、年商500億円未満の中堅・中小企業に対する「オンプレミスのサーバ環境における今後の更新手段(導入済みサーバOS別)」調査結果である。
「RHEL」では、「全体平均」や「Windows Server 2008/R2」と比べ、仮想化/コンテナ活用やクラウド移行が高いという結果が出ている。つまり、今回の買収については「RHELを利用するユーザ企業がIaaS/PaaSとして何を選ぶか」が注目に値するという。
中堅中小企業向けLinux/UNIXでは「RHEL」がシェアトップ
以下は年商500億円未満である中堅中小企業の「導入済みサーバOS」のうち、Linux/UNIX系に関する数値を抜粋したものだ。中堅中小企業のサーバOSは「Windows OS」が大半を占めるが、Linux/UNIX系の中では「RHEL」が最も多く導入されているという。つまり、「RHEL」を導入済みユーザー企業の「仮想化/コンテナ活用」「クラウド移行」がどれだけ進むかは、Linux/UNIX系のサーバ全体における今後の動向にも影響を与える得るという。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業へ、導入済みまたは導入予定のIaaS/PaaS事業者名を聞いた結果から、外資ベンダーの数値を抜粋したものだ。
日本国内の中堅中小企業における導入社数シェアという点では、日本IBMはグーグル、日本マイクロソフト、アマゾンウェブサービスジャパン、セールスフォースなどと比べ少なかった。
一方、IBMのRedHat獲得により、「RHEL」を導入済みユーザー企業のクラウド移行を支援を担う役割を日本IBMがまっとうできれば、IaaS/PaaS市場シェアにも変化が起きる可能性があるとした。
【次ページ】「RHEL」導入企業のクラウド移行を誰が支援するのか
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