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- 2018/08/15 掲載
消防用ドローンが急成長、「DJI一強」を覆す方法はあるのか?
![photo](https://www.sbbit.jp/article/image/35299/660_bit201808091542026042.jpg)
いるのだろうか?
米国の「消防用ドローン」市場、9800億円規模へ
同州森林保護防火局によると、州内16カ所の山火事で焼失した面積は累計で約13万ヘクタールにおよび、家屋などの焼失、倒壊は合計1500棟以上、死亡者は7月末時点で8名、避難した人は3万人以上。この火事により消火活動だけで7月には1億1,400万ドルかかり、経済的損失は数十億ドルに上るともいわれている。
現在、同州における山火事における消火活動には他州消防隊の応援も駆けつけているが、熱波と乾燥、勢いの衰えない火勢になすすべもないのが現状だ。
山火事の消防にとって大切なのは「最も火の勢いが強い場所での集中的な消火活動」だが、それを行うためには空からの消火活動が必要となる。しかし現在ヘリコプターやセスナ機で行っている消火活動では、大規模な火災地帯の上空を飛ぶことへの危険性から十分な対応ができていない。
そこで注目されているのがドローンだ。バード大学のドローン研究センター(Center for the Study of the Drone)によると、現在少なくとも1機のドローンを所有する州、自治体政府の警察、消防の数は910以上に上り、昨年1年間だけでその数は前年比82%もの上昇を見せた。ドローン所有数の最も多い州はテキサス(68)、続いてカリフォルニア(57)となる。
こうした政府所有のドローンの中でマジョリティーを占めるのはDJIの製品で、910件中実に523機を占める。続いてユニーク社の31機、フィジカル・サイエンス社の14機、ドラゴンフライ社の10機、パロット社の8機、レプトロン社の8機と続く。
政府の監視、視察に特化したドローンは大型で価格も高く、購入中間値は1万ドルだという。現在こうした非常事態に合わせて軍のドローンを地方自治体に下げ渡す動きも見られるが、まだ本格的にそうなっていない段階だ。
ゴールドマンサックス社の予測によると、ドローンビジネス全体は2020年までに1000億ドルのビジネス機会があるという。特に需要が多いとされるのは軍事関連でおよそ700億ドル、コンシューマー関連が170億ドル、そして商業、公共利用が130億ドルという内訳だ。この中で消火活動に特化するドローン市場は2020年には8億8100万ドル(約9,800億円)規模に達すると予測されている。
【次ページ】火災対策でドローンがクリアすべき問題
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