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資産管理と聞くと「資産の棚卸(管理台帳の作成)」を思い浮かべる方が多いかもしれない。だが、中堅・中小企業がスマートデバイスを活用する上で資産管理ツールの活用はコストやセキュリティの面でも重要な意味を持ってくる。そもそもIT資産管理ツールとは何か、そしてなぜツールが必要なのか。本稿ではその理由を調査データとともに明らかにしていく。
「資産管理ツール」とは何か
企業におけるIT活用は大きく分けることができる。1つ目は「業務のためのIT」である。会計、販売、メール、グループウェアなど多くの業務システムがこれに該当する。2つ目は「ITのためのIT」である。つまり、ITを活用する上で必要となる管理/運用の役割を担うIT商材ということになる。「ITのためのIT」の例としてすぐに思い浮かぶのはセキュリティやバックアップだろう。本稿のテーマである「資産管理」も、この「ITのためのIT」に該当する。
企業が所有するPCやスマートデバイスも資産の1つだ。そのため、「どのように購入し、どの部署の管轄下にあるのか?」を常に把握しておく必要がある。そのための取り組みが資産管理であり、それを支援するIT製品/サービスが資産管理ツールである。
PCに比べて大幅に遅れている、スマートデバイスの資産管理
ここで、資産管理の取り組み状況を確認してみよう。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業におけるPCおよびスマートデバイスを対象とした資産管理の取り組み状況を示したものだ(
図1)。
PCと比較してスマートデバイスでは「何も行っていない」の割合が非常に高くなっていることがわかる。
資産管理と言った場合、多くの企業が思い浮かべるのは「資産の棚卸」だ。「資産の棚卸」では、購入年や管轄部門を記載した資産管理台帳を作成および維持することが主な作業となる。PCの場合にはOSや業務システムのバージョンアップに合わせて全社一括で行うことも多いため、資産管理台帳を作成しやすい。
一方、スマートデバイスはPCに比べて台数も少なく、部門単位で試験的に導入されることも少なくない。さらに、個人が所有する端末を業務で利用するケースもある。そのため、企業にとっては資産管理台帳が作りにくい状況にあるというわけだ。
とはいえ、資産管理を「資産管理台帳を作る」ことに限定すれば、棚卸の時期に合わせて現状を手作業で把握すれば何とかなる。そのため、資産管理ツールは不要と考える中堅・中小企業も少なくない。ところが、スマートデバイスの資産管理をおろそかにしていると、無駄なコストやセキュリティのリスクが発生してしまう可能性がある。その理由を詳しく見ていこう。
【次ページ】企業が資産管理ツールに求める機能とは?
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