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- 2017/08/15 掲載
「手軽に自作で」ディープラーニングの衝撃、動画から説明文や音声合成を組み合わせ
AIによりロボットや機械の知能化も進展
Maker Faire Tokyo 2017(主催:オライリー・ジャパン)のセミナーに登壇したNVIDIA プロダクトマーケティング・マネージャー 矢戸知得氏は「たとえば、グーグルのAlphaGoが人間のプロ棋士を負せたことは記憶に新しいだろう。碁の打ち手の組み合わせは天文学的な数になり、コンピュータ処理は難しいとされていたが、その課題を解決した。またDOOMのような複雑なダンジョンゲームをプレイしたり、モネやゴッホの画風を学んで、そのスタイルで絵を描けるようになった。自然な会話ができる音声合成技術や、写真から説明文を生成する技術も発展した」と説明する。
AIによって、ロボットや機械の知能化も進んだ。
「ロボットで運動技能を習得できるようになったことは大きな進展だ。複雑な関節を組み合わせて、何らかのタスクを実行できる。これをAIによってトライ&エラーで学べる。さらに難しい2足歩行技術も習得できるようになった。これは歩行に加え、時間的な制約の要素も入る。また自動車の自動運転にもAIが大きな威力を発揮している」(矢戸氏)
ディープラーニングによる3つの恩恵
「人が指示するのではなく、コンピュータが自動的にデータから特徴を学びとる。人間が気づかなかった外乱(通信系などに外から加わる不要な信号)に対しても影響を受けずに性能を発揮できるロバスト性を持つ。また同じニューラルネットワークのアプローチを別のタスクや動作に対して適用できる一般性がある。さらに多くのデータを使って並列処理を行うことで、パフォーマンスが向上するスケーラブル性を有する」(矢戸氏)
GPUディープラーニングによる新しいコンピューティングモデルでは、未学習のニューラルネットワークモデルを用意し、そこに既存データを流し込んで答え合わせをする。その結果をもとに、ニューラルネットワーク自体の重み付けを調整。何度も繰り返すことで、十分な能力を発揮する学習済みのモデルが生まれる。このモデルに未知のデータを適用し、推論処理をするという流れだ。
【次ページ】自作できる「自動キャプション生成スピーチ装置」
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