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- 2017/04/28 掲載
AIGグループの事例に学ぶ、ダイバーシティ&インクルージョンを実現する組織体制構築
ダイバーシティ経営におけるLGBT対応
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ダイバーシティ&インクルージョン担当 シニアマネージャー
馬場聡子氏
ダイバーシティ&インクルージョンで実現しようとしている「ACTIVE CARE」
もう1つは、保険会社として、顧客のまさかのときにサービスを提供するだけでなく、まさかの事態を未然に防ぐために、世界中の知見とテクノロジーを駆使して顧客を守るという、AIGグループの事業戦略コンセプト「ACTIVE CARE(以下、アクティブケア)」を実現することだという。
馬場氏は、「先進的なリスク予防サポートであるアクティブケア実現のためには、多様な視点に基づいてお客さまに対する理解を深めることが必要です。それによってイノベーションを進め、リスクの低減を行っている企業として認知されていく。このアクティブケアを実現することで、お客さまや社会に貢献する企業であることをミッションとして掲げています。当グループにとってダイバーシティ&インクルージョンとは何か、という意味はそこに尽きると思います。日本でのビジネス戦略を実現するためにも、多様な視点が不可欠なのです。グローバルマーケットで競争力の基盤になるのがダイバーシティ&インクルージョンです」と語る。
ダイバーシティ&インクルージョンを進める3本柱とは
コアな事業コンセプトにも関わるダイバーシティ戦略を、AIGグループではどういう体制で進めてきたのだろうか。同グループにおけるダイバーシティに関する取り組みは10年ほど前から始まった。それが組織の体制として整い始めたのは、2012年からである。ダイバーシティ推進の体制は3本の柱から成り立っている。
1本目の柱は、2014年に設置したダイバーシティカウンシルだ。馬場氏は、「ダイバーシティカウンシルは、役員がAIGグループとっての優先事項を明確にして、各課題についてどう取り組んでいくのか考え、社員とともにさまざまな取り組みを実行に移していくところです。トップダウンの仕掛けですね」と語る。
2本目は、Employee Resource Group (従業員ネットワークグループ)だ。従業員ネットワーグループには、共通の分野に自発的に熱意を持って取り組みたいと思っている社員が集まる。従業員の声を上げていくボトムアップの仕掛けだ。
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3本目が、ダイバーシティ&インクルージョンの推進担当者だ。最初は人事部の中にダイバーシティ担当を兼任するメンバーを置いた。2012年から、ダイバーシティの専任者が置かれるようになった。
この3本の柱が有機的に関連しあって、AIGグループでのダイバーシティ&インクルージョンを推進しているという。
【次ページ】社員一丸となって統合的にダイバーシティを戦略に落とし込む
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