• 2017/04/12 掲載

日本企業のIoTが拡大、8割が「自社製品そのものが変わる」-ガートナー調査

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ガートナー ジャパンが発表した日本企業のIoTへの取り組みに関する調査結果によると、自社のIoTの推進体制について「IoTの専門部署やグループができた」と回答した企業は2016年より増加したものの14.0%にとどまった。ただし「現在準備中(1年以内に実施)」と回答した企業は20.0%に増加し、「3年以内に確立予定」まで加えると、6割超の企業がIoTに対して前向きな姿勢を持っていることがわかった。
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図1 日本企業におけるIoTの推進体制の確立状況

 調査ではさらに「IoTの専門部署やグループを既設/3年以内に確立予定」とした企業と、IoTの専門部署の確立は「3年より先/未定」であるという企業に対し、ITに関する経営者の感度を尋ねた。

 その結果、「経営者はITを重要であると考えている」と回答した割合は、「IoTの専門部署やグループを既設/3年以内に確立予定」の企業では半数以上の63.8%であったのに対し、「3年より先/未定」の企業では半数以下の38.9%であることも明らかとなった(図2)。

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図2 ITを重要視する経営者の割合

 今回の結果について、ガートナー ジャパンのリサーチ部門バイス プレジデントである池田 武史氏は、次のようにコメントしている。

「IoTの推進体制を確立して取り組みを進める企業は、昨年よりも増えています。ただ、全体に占める割合としてはまだ2割にも満たないこと、そして、昨年の時点で1年以内に実施予定としていた企業の一部がこれを実現できていないことも、今回の結果から読み取れます。このように、国内企業のIoTへの取り組みは前進しているとはいえ、緩やかなペースにとどまっています。その背景には、IoTがビジネスの多くの場面に直接的、間接的な影響を及ぼすのはこれから数年先になると考えられており、具体的な取り組みをいつどのように始めるべきか多くの企業が悩んでいるという状況があります。実際にガートナーにも、そのような相談が企業からしばしば寄せられています。IoTの影響は多くの企業のさまざまな業務や部門に及ぶと考えられます。それに備えるためには、社内の推進体制を確立し、より積極的に取り組むべきです」

 続けて、池田氏は次のようにも述べている。

「IoTの影響は、自社の製品やサービスが今後も現在の仕様や価格のままで売れ続けるのかといった問題にまで及ぶことになります。そうした影響が既に及んでいる、あるいは3年以内に及ぶと考える企業も半数ほどありました(図3)。また、従来の顧客やパートナーとの関係、営業やマーケティングの手法、製品やサービスの開発の進め方など、多くの業務や各部門の役割および作業そのものにも影響が出るとみられます。今回の調査結果では、既に推進体制を確立したという企業からは、『組織の外部から新しい人材を投入した』『新たなパートナーとの協議を開始した』とする回答も多く得られています。IoTはデジタル・ビジネスの中核となるテクノロジーであり、その取り組みには各企業の今後に向けた新しい組織づくりの側面もあるということを理解する必要があります。このような新しい枠組みを模索するには、短期的のみならず、中長期的に取り組みを継続していく必要があります。企業にとっては、経営者のテクノロジーに関する理解と、IoTからの影響を乗り越えるためのリーダーシップが重要な時期となっています。これを着実に実行に移していくためには、従来の組織の枠を超えた推進体制の確立が不可欠です」

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図3 IoTの影響で自社の製品やサービスそのものが変わるか

 本調査の有効回答数は515件で、日本全国の従業員数500人以上の企業を対象にしている。回答者は、ITインフラストラクチャ領域において、製品やソリューション、サービスの導入の選定に際し、決裁権がある/関与している、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与している役職を想定しているという。
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