- 2015/03/03 掲載
中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド/スマートデバイス活用動向
「クラウド」と「スマートデバイス」は中堅・中小企業における業務アプリケーション活用を考える上で、今後も重要なトピックの一つといえる。だが、中堅・中小のユーザ企業は現状維持志向も強い。そのため、既存の業務アプリケーションをクラウドへ移行したり、スマートデバイスに対応したオプション画面を提供するといった取り組みだけでは十分に訴求することが難しい。以下では業務アプリケーション全体を俯瞰した時の「クラウド」および「スマートデバイス」の訴求ポイントについて見ていくことにする。
クラウド/スマートデバイス活用の観点で業務アプリケーションは3つのカテゴリに分かれるという。
SaaS利用率とは、各業務アプリケーションを導入しているユーザー企業に対し、「(パッケージの)自社内設置」「(パッケージの)サーバールームやデータセンタへの設置」「SaaS形態(ASPも含む)」のいずれであるか?(単一回答)を尋ねた結果の「SaaS形態」の数値である。スマートデバイス利用率とは、各業務アプリケーションを導入しているユーザー企業に対し、端末形態(デスクトップPC、ノートPC、スマートフォン、タブレットなど)を複数回答形式で尋ね、そのうちのスマートフォンとタブレットの値の平均値をとったもの。「運用管理系」では管理の対象となる端末、それ以外の分野では業務アプリケーションを利用する際の端末を意味する。
同社の発表によると、13種類の業務アプリケーションは大きく分けて以下の3つのカテゴリに分けることができる。
[カテゴリ2]「SaaS利用率」は低いが、「スマートデバイス利用率」は比較的高いもの
[カテゴリ3]「SaaS利用率」と「スマートデバイス利用率」が共に低いもの
[カテゴリ1]には「グループウェア」「ワークフロー」「CRM」といったように以前からASP形態での導入が見られ、フィーチャーフォンからも利用できていた分野が含まれている。昨今ではオンラインストレージサービスの登場により、文書管理の分野もこのカテゴリに含まれるようになってきている点に留意する必要がある。
[カテゴリ2]は「SaaS利用率」は低い値となっているが、中堅上位企業においては「ERPのIaaSへの移行」などのクラウド活用が見られる点にも注意が必要だ。また、「バックアップ」についてはスマートデバイスにデータを残す手法と画面のみを表示させる手法のどちらが多くなるか?によってカテゴリ2とカテゴリ3のどちらに入るかが変わってくるものと予想されるという。
[カテゴリ3]については「クラウド」と「スマートデバイス」のいずれも訴求が難しいように思えるが、次頁以降で述べるように工夫次第では新たなアプローチを展開できる可能性がある。
関連コンテンツ
PR
PR
PR