早くも2023年の上半期が終了した。GAFAM(グーグル、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフト)を中心とした米巨大IT企業のレイオフが年初に話題になり、IT株の低迷が深刻化していたが、半期が終わってみればすでに一部切り返しており、アルファベット(グーグルの親会社)の株価は年初来で3割以上も上昇している。今や話題の中心はジェネレーティブAI(生成AI)となり、世界でAI論争が巻き起こっている。ここでは、特にGoogle Cloudに焦点を当て、クラウドをめぐるAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureとのプラットフォーム競争のゆくえを占う。
Google Cloud向けに、開発支援機能「Duet AI」を発表した。非エンジニアによるチャットベースでのアプリ作成からアプリケーション開発のコード作成まで、あらゆるスキルレベルのユーザー向けにAI開発をサポートする。Google CloudのCEOでオラクル出身のトーマス・クリアン氏は「責任ある生成AIに全力で取り組む」と話している。
Synergy Research Groupの調査を見ると、2023年第1四半期におけるクラウドインフラ市場のシェアでは、AWSが32%、Azureが23%、Google Cloudが10%となっている。AWSとAzureの2強といわれていた市場だが、Google Cloudが加わり、まずは3強になる公算が強くなってきている。