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  • 2023/09/01 掲載

AWS・Azure・GCPの「生成AI戦略」を徹底比較、「クラウド未移行8割」めぐる大・争奪戦

連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤

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世界各国で生成AIブームが続く中、クラウド大手3社のアマゾン・マイクロソフト・グーグルは、AIを事業戦略の中核的な存在と位置づけている。主戦場である法人向けに、「トータルな運用コストの削減(アマゾン)」「社員端末のクラウド需要総取り(マイクロソフト)」「研究専門性の活用(グーグル)」など、それぞれに特徴のあるマーケティング方針を打ち出している。本稿では各社のAI戦略を比較し、どの企業がどの分野でリードしているのか、クラウドビジネスの現在地を明らかにする。
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アマゾン・マイクロソフト・グーグルの生成AI戦略とは
(Photo:Michael Vi / Shutterstock.com)

「クラウド未移行」8割超も、争奪戦のカギはAI

 米テック大手のAI戦略について非常に示唆に富むインタビュー記事が、8月8日付の米テックニュースサイト「ザ・バージ」に掲載され、注目を集めている。

 この記事は、AWSのCEOで、AWSの立ち上げから一貫して携わってきた、アダム・セリプスキー氏が長時間にわたり話した内容を収録したもの。クラウド業界全体で共有されているAIの可能性および課題の認識を、率直かつ詳細に語っていることが特徴だ。

 まずセリプスキーCEOは、「ある最近の調査では、法人ITでクラウドに移行しているのはわずか10~15%のみ」と指摘。残りはいまだオンプレミスで、開拓の余地が多大にあるとの見解を示し、「その残り(オンプレミス)の部分で成長が生み出される分野はAIだ」と断言した。

 2023年4~6月期における世界でのクラウド市場規模は650億ドル(約9.4兆円)だった。このうち、AWSが32%、Azureが22%、Google Cloudは11%のシェアを占める(図1)。

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図1:世界クラウド市場における大手8社のシェア
Statistaより編集部作成)

 クラウド市場は大きく成長しているが、セリプスキーCEOの指摘のとおり成長の余力はまだ大きい。これに対し、企業ITオペレーションをクラウドに誘引する決定的な役割をAIが担うというわけだ。

 その上で、「生成AIは(クラウド業界の)基礎中の基礎になる。AIは何か独立した別物ではなく、クラウドと内在的に(intrinsically)結合するものだ。AIはそれだけ基礎的なものであるゆえ、これだけはやし立てられるのだ。我々が職場や家庭で日常的にやり取りをするアプリのほぼすべては、AIで再定義されるようになる」と明言した。

 アマゾン・マイクロソフト・グーグルが採用するAIビジネスのアプローチは異なるものの、(1)開拓されるべき市場はまだまだ広大であり、(2)近未来のクラウドの成長はAIによって生み出され、(3)人々の生活領域のほぼすべてにAI(クラウド)がかかわり再定義される、という基本認識は3社で共有されていると言って良いだろう。

 だが、米クラウド大手のAI戦略には、それぞれの長所や短所を反映した特徴がある。詳しくは後述するが、たとえばマイクロソフトやグーグルがフロントエンドの生成AIサービスを前面に押し出すマーケティングを行っていることに対し、アマゾンはサーバやデータベース、機能、処理を担う仕組みや機能のバックエンドにフォーカスしている。

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次のページではアマゾン・グーグル・マイクロソフトの生成AI戦略を詳しく解説します
【次ページ】アマゾン・グーグル・マイクロソフトの生成AI戦略を徹底比較
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