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- 2021/12/02 掲載
噂の「中国製50万円EV」の秘密を徹底解剖、あの価格で販売できる“4つの理由”
販売台数は圧倒的1位、勢いが衰えない「50万円EV」
中国の上汽通用五菱(ウーリン)が発売した小型電気自動車「宏光MINI EV」(ホングワン)が売れに売れている。2020年7月に発売され、あっという間に2020年EVの販売台数第1位になってしまった。五菱は女性消費者を意識した「宏光MINI EVマカロン」シリーズを追加発売し、現在も“最も売れているEV”の座を守り続けている。2021年1月から9月までの販売台数は28.6万台と、宏光MINI EVが圧倒的な1位だ。
この快進撃の最大の理由は、2.88万元(約51万円)からという圧倒的な低価格にある。なぜ、五菱はこんなに安くEVを製造し、販売することができるのか。10年前まであれば、中国製品の低価格の秘密は「安い労働力」だった。しかし、今ではそこが理由ではなくなっている。宏光MINI EVの低価格の要因は主に4つある。
割り切ったコンセプトと仕様が生まれたワケ
理由その1:コンセプトの明快さ低価格の理由の1つが、割り切ったコンセプトだ。エントリーモデルでは、最高時速100km、満充電航続距離120km、エアコンはなし(ヒーター暖房のみ)という低スペックぶりだ。しかし、これが売れている。
上汽通用五菱は、日本では宏光MINI EVのヒットによって知られるようになったが、中国では以前から有名な自動車メーカーだ。上海汽車、通用(米ゼネラルモーターズ)、広西汽車(元五菱)の3社による合弁会社で、母体となった五菱は商用バンが非常に有名だった。商店への配達などに使われる車で、人気の理由は広い貨物スペースと頑丈さだ。多少の故障であれば走り続けられることから「神車」とも呼ばれている。そこから、釣りやキャンプの愛好者にも好まれるようになっている。ちょうど、トヨタのハイエースと似たようなポジションだ。この人気車種が「宏光」だった。
商用バンの宏光がよく使われている地方都市では地下鉄が発達していないため、通勤は自動車か電動バイクが主体になっている。その「通勤の足」というコンセプトで宏光MINI EVが企画された。よって、「高速道路は走らない」「片道30分程度を1日1往復程度」という前提で、航続距離は120km、最高速度時速100kmという低スペック仕様となった。カーナビはもちろん搭載されていないが、スマートフォンをカーナビ代わりに使うため、USB充電端子は備えるなど、省くだけでなく必要十分な仕様となっている。
【次ページ】大幅コストダウンを実現した設計の秘密
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