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5月28日、デロイト トーマツ コンサルティングが「ミレニアル年次調査2019」を発表した。今回で8回目となる「ミレニアル年次調査」は、同社が42カ国のミレニアル世代と10カ国のZ世代を対象に行った調査である。調査発表会では、まずグローバルの傾向、日本の傾向について説明し、最後に同社 執行役員のキャメル・ヤマモト氏がいま企業の人材活用に何が求められているかを語った。
企業が知りたい“ミレニアル世代の頭の中”
「ミレニアル年次調査2019」は、デロイトが2018年12月~2019年1月に、世界42カ国1万3416人のミレニアル世代(1983年~1994年生まれ)と、10カ国3009人のZ世代(1995年~2002年生まれ)を対象に実施した調査である。8回目となる今回から、ミレニアル世代とZ世代、両世代の特徴を包括的に示すため、調査対象を学位取得者以外にも広げている。
同調査で示されたグローバルのミレニアル世代の特徴は、下記の6点という。
(1)経済的な豊かさと同等に、世界・社会での経験を重視する
ミレニアル世代は、リーマンショックから現在のデジタル化の進展に至るまで、不確実性の時代を人生の中で長く過ごしている。そのためか、自国の経済状況が直近12カ月で「改善する」と考える割合は低く、「現状を維持する」と見込む割合が最も高い。
人生の目標では、従来成功の証しと考えられていた「自宅の購入」(49%)や「子供 / 家庭を持つ」(39%)の回答はそれほど多くなく、「世界を旅する」(57%)、「社会に好影響をもたらす」(46%)といった世界や社会での「経験」から得られる価値に着目する傾向がみられる。
(2)報酬や昇進・成長機会を求め、短期間で離職を考える傾向が強い
離職を考える理由は、「報酬に不満がある」(43%)以外に「昇進機会が十分でない」(35%)や「学習・成長機会がない」(28%)が高く、職場での自己成長につながる「経験」への着目がみられる。
(3)ギグ・エコノミー(注1)の価値を認識し、自らも参加する意欲が高い
注1:フリーランスや副業などで雇用形態を結ばず企業などから単発で仕事を請け負う就労形態
グローバルのミレニアル世代のうち、56%が「フルタイムの仕事の代わり」として、また68%が「副業として」ギグ・エコノミーに「参加している」、または「参加を検討する」と回答している。
(4)約7割がデジタル化の進展をポジティブに捉え、5割弱がIndustry 4.0(注2)により就職・転職の難易度が上がると考える
注2:IoTおよびビックデータ、AIなどを核とした技術革新を指す。第4次産業革命。
Industry 4.0に際して、45%は就職・転職の難易度が「上がる」と考え、25%は「変わらない」と回答している。
(5)7割がIndustry 4.0に必要なスキル・知識を備えていないと考え、3割がIndustry 4.0の準備主体として最も責任があるのは企業と考える
Industry 4.0に向けた準備について最も責任がある主体は、「企業」と回答した割合が最も大きい結果となった。
(6)約7割が個人データ分析に基づく広告を有用と考えるが、個人データ活用について懸念を持つ
ミレニアル世代の74%が、個人データの活用に対して懸念を示した。
グローバルのZ世代は、ミレニアル世代とほぼ類似
グローバルのZ世代とミレニアル世代は類似する点が多い結果となったが、違いがでたのは「離職」と「ギグ・エコノミー」に関する価値観だった。
Z世代は、ミレニアル世代よりも短期間での離職意向が強く、ギグ・エコノミーへの参加意欲は低い傾向にある結果となった。ただ、これはZ世代の相対的な就業経験の少なさが理由として考えられる。
ここまでがグローバルのミレニアル世代とZ世代を対象とした調査結果である。同社では、日本でもミレニアル世代319人、Z世代301人を対象に調査を行った。日本のミレニアル世代にはどのような傾向があるのだろうか。
【次ページ】日本のミレニアル世代の傾向は?企業に求められること
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