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- 2018/08/29 掲載
ステレオタイプな母親像を断ち切る「マム・ミレニアルズ」の実態
ステレオタイプな母親像とは異なる存在
ハイミー氏は、フィリピンの広告業界を牽引する存在であり、同時にミレニアル世代の娘を育てる母親でもある。また、電通がグローバルに展開する「MamaLab(ママラボ)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして、母親目線による企業マーケティングを推進している立場にある。
ハイミー氏は、「ミレニアル・ママたちは、ほかの世代とは違う独自の子育て方針を持っているように見えます」と指摘し、レストランや飛行機の機内でよく見かける「iPadで子どもを静かにさせる母親」を例に挙げ、次のように語った。
「そんな母親に対して眉をひそめる人々は少なくありません。しかし彼女たちには理由があります。子どもを泣かせたまま放置したり、おもちゃやお菓子を買い与えるよりも、iPadの学習コンテンツを活用するほうが子どもの教育上、よいと考えているからです」(ハイミー氏)
SNSを駆使、リサーチ力に優れたミレニアル・ママたち
ミレニアル・ママたちは情報リテラシーが高く、SNSなどを通じて多様な情報を吟味することに慣れているため、育児についても同様の傾向がある。わざわざ専門家のもとを訪ねるよりも、まずはオンラインで問題を解決しようとする。大きな購買力を持ち、食品や日用品、コスメからファッションまでさまざまなブランドに影響力を持つ存在の彼女ら。ただし、彼女たちの関心をひきつけ、消費行動を起こさせることは簡単ではない。ハイミー氏は「母親像は一つではなく、国や文化圏ごとにそのキャラクターは異なります。好むライフスタイルもさまざまです」と語る。「ママラボ」設立の背景には、「バラエティに富む母親像を正しく理解する」という目的もあるそうだ。
「ママラボのプロジェクトは2009年に日本でスタートしました。現在、そのネットワークはシンガポール、フィリピン、台湾など世界6カ国に広がっています。各種リサーチ活動やメンバー間での議論を重ねながら、母親の声をもっと企業のマーケティングに活かすべく、活動を続けています」(ハイミー氏)
ハイミー氏は、ミレニアル・ママの大きな特徴として「ほかの世代よりもセレブリティの影響を受けやすい」と指摘する。例として、日本のミレニアル・ママ世代のセレブリティの一人、木下優樹菜さんがアンバサダーを務めるブランドのおむつが、1ヶ月で5300万枚を売り上げたケースを挙げた。
【次ページ】ミレニアル世代の母親たちは「押し売り」を嫌う
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