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  • 2021/09/21 掲載

リクルート出身者の“あの熱意”はどこからくる? アグレッシブ社員を育てるマネジメント

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ビジネスの現場で「リクルート出身者」と出会ったことがある方は多いのではないでしょうか。彼らに共通するエネルギッシュさと仕事への熱意はいかにして培われるのか──リクルートで10年間営業職として従事し、同社でマネージャーも経験した筆者が、自身の経験をもとに、チームの士気を高めるマネジメント手法と文化の作り方を明かします。
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目標達成に貪欲な社員を育てるマネジメントと文化とは
(Photo/Getty Images)


なぜ「元リクルート」は連鎖するのか

 私は2008年に新卒でリクルートへ入社し、10年間営業を行っていました。営業の新卒・中途採用ニーズに加えて、評価・育成ニーズなど、経営を組織的な視点から支援することで企業の事業成長に貢献してきました。

 関わってきた企業は、従業員1名の企業から日本のトップ企業、外資系企業まで。業種も、メーカー、金融、官公庁、サービス業、医療、外食などのほぼすべての業種、企業規模を担当してきました。

 リクルートの事業は、リクナビやsuumo、ゼクシィ、HOT PEPPERなどのサービスに代表されるように、分野はHR、住宅、ブライダル、飲食など多岐にわたりますが、個人と企業をつなげる「マッチング」というビジネスモデルを編み出し、再現性高く横展開している企業です。

 「リクルート出身です」と伝えると「エネルギッシュな会社だよね!」と言われることも多く、会社の規模や事業の大きさはもちろん、働く社員にも注目してもらっている印象があります。

 読者の皆さんの周りにも元リクルート、つまり「元リク」がいるのではないでしょうか。そして、その方々はきっとエネルギーにあふれているのではないかと思います。そして、退職後もあらゆるところで関係性が続くのがリクルートの特徴の1つです。

 リクルートは採用規模も大きく、毎年多くの新卒・中途社員が入社しています。同時に多くの人が退職をしており、入れ替わり立ち代わり人の出入りがあり、世の中に人材が循環しています。

 そして、人生で少しでもリクルートと関わった人が自分自身を「元リク」と呼びながら、人脈を波紋のように広げ連鎖させていきます。実際、新しい出会いがあると、10人に1人はリクルート出身というくらい高頻度でリクルート関係者に会います。私のように退職してもリクルート出身であることを誇りに思い、自分のキャリアを伝える際に社名を言う人も多いのではないでしょうか。


入社時からたたき込まれる「圧倒的当事者意識」

 元リク同士が連鎖していく背景には、「圧倒的当事者意識」が影響していると考えています。圧倒的当事者意識の醸成には、入社時からの環境が大きく関わっています。

 リクルートでは入社時から「君はどうしたいの?」と先輩たちから問われ続けます。そして「じゃあ、やってみて」と任されます。このように、自分で思考し、提案し、最終的に自分が動くことになるのです。自分でPDCAを回していくので、「じゃあ次はこうしてみよう」「次はこれをやらなきゃ」という当事者意識が身につく環境だったのだと思います。

 このような1人ひとりの圧倒的な当事者意識が、猛スピードで仕事を推進させていきます。そしてその功績を、あり得ないほど会社で褒めたたえ、自身のやる気を生み出すだけでなく、周囲のメンバーのやる気にもつなげていきます。1人ひとりが猛スピードで形にしていくという、この循環こそが事業を成長させる同社の強さだと私は考えています。

 退職後もこの循環が続くため、元リク同士は連鎖し、新たな場所でも活躍し、お互い「もっとこうしようよ」「こういうのやってみようよ」と提案するなど、良い影響をどんどん与え合ってつながり続けるのだと考えています。

【次ページ】チームの士気を高める目標設定と文化の作り方
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