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- 2018/11/12 掲載
民営化空港が続々「開港」、利用者増でも課題が残るワケ
高松空港ソウル便の毎日運航がスタート
「ソウル便の毎日運航が実現でき、ありがたい。アジア、世界とつながる瀬戸内ナンバーワンの空港を目指していきたい」。韓国の格安航空会社(LCC)エアソウルが運航するソウル線の毎日運航が始まった10月末、香川県高松市の高松空港で高松空港会社の渡部哲也社長が笑顔で語った。この日は毎日運航スタートの記念セレモニー。旅客ターミナルビル2階の国際線搭乗待合室に浜田恵造香川県知事ら自治体、経済団体関係者ら約20人が集まり、くす玉を割ったあと、到着ロビーで乗客に記念品を渡した。
空港は香川県中央部に位置し、徳島県や高知県に近い。このため、東四国の拠点空港とするべく搭乗待合室、駐車場をリニューアルするとともに、徳島県三好市の観光地・大歩危祖谷峡、高知県高知市のJR高知駅への直行バス運行を始めるなど、利便性向上と訪日客の受け入れ推進を目指した取り組みを進めている。
2018年度上半期(4~9月)のチャーター便を除いた乗降客は約87万人。前年同期と比べ、717人のわずかな伸びだが、LCC路線や訪日客受け入れの拡大で2032年に年間乗降客数を307万人に増やす計画だ。
香川県交通政策課は「民間の発想で課題を迅速に解決している。民営化はスタートしたばかりだが、着実な歩みを見せている」と評価している。
神戸空港は民営化も発着枠が既に上限
神戸市の神戸空港は市が運営してきたが、4月から関西、伊丹の両空港を運営する民間の関西エアポートに委ねられ、関西3空港一体での運営が始まった。2018年度上半期の乗降客は約158万人と前年同期を2.4%上回った。2006年の開港以来、これまで一度も届かなかった開港前の年間需要予測319万人に匹敵するペースで利用が続いている。
しかし、24時間運用可能な海上空港でありながら、国際線禁止、1日発着枠60回など厳しい運用規制が設けられ、潜在能力を発揮できないでいるのも事実。スカイマークなど4社が7路線を運航する空の便は、規制の上限に達し、これ以上の増便が困難な状況だ。
兵庫県内には規制緩和を望む声が出ているものの、関西3空港懇談会が開かれ、規制緩和の協議が進むめどは立っていない。関西エアポートは「どういう方向で地域振興へ貢献が可能か、見定めている段階」という。
神戸市空港推進課は「3空港一体運営で関西経済を押し上げる役割を果たせているのでないか」と評価しているが、潜在能力を生かす方向については見えてこない。
【次ページ】仙台空港は高評価、関西空港は台風被害で課題も
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