- 2016/06/30 掲載
デジタル変革に求められる「イノベーション・ゼロ」を導く4つのドライバー
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パートナー
レヌー・ブラー氏
デジタル変革に求められる「イノベーション・ゼロ」
デジタル変革時代には「変革を遂げた企業が生き残れる」とし、企業が変革を取り入れるためのフレームワークを提唱した。それが「イノベーション・ゼロ(Innovation to Zero)」だ。
この言葉は、2010年にビル・ゲイツ氏がTEDトークで提唱したものだ。温室効果ガス削減のために「排出量ゼロ」のイノベーションが必要というコンセプトだが、ブラー氏はこれにならい、どんな分野でイノベーション・ゼロが起きているかを例示した。
たとえば、「ゼロ・コンセプト」というのは、従来の日本の製造業がお手本として示してきたものだ。「待ち時間ゼロ」「製品の不具合ゼロ」「廃棄ゼロ」「セキュリティ違反ゼロ」などだ。
一方、音楽分野では「ゼロ・ウォークマン」の時代が到来した。コンパクトなウォークマンに代わり、今はパッケージソフト、流通網がなくてもインターネットがあれば音楽が楽しめる「iPhone/iTunes」の時代になった。
イノベーションのゼロを導く「4つのドライバー」
次に、ブラー氏は、イノベーションのゼロを導く「4つのドライバー」を紹介した。1.ビジネスモデル・イノベーション
1つ目は、「ビジネスモデル・イノベーション」だ。多くの企業では、プロダクトの開発に多くの時間を費やしている。しかし、ビジネスモデルそのものを変える必要がある。
「プロダクトはコピーされる。本当の価値は、ビジネスモデルの改革についてもたらされていることを考える必要がある」(ブラー氏)
2.IoT
2つ目は、「IoT」だ。オートメーションにより、サプライチェーンが自動化され、インターネットは移動のコストを下げた。そして、IoTにより、あらゆるデバイスがインターネットに繋がり、価値を生み出す。
3.プロダクトのサービス化
3つ目は、「プロダクトのサービス化」だ。アドビは製品をクラウド化(as a service化)し、顧客とのインタラクションに新たな方法があることを示した。プロダクトとサービスを結びつけることが、今、ビジネスモデルの中で起きている大きな変革だ。
4.プラットフォーム
4つ目は、「プラットフォーム」だ。多くの企業では、プラットフォームを共用することを進めている。プラットフォームを活用することで、企業はリソースを「所有」せずに「利用」することができ、規模の経済を享受することができる。
最後に、ブラー氏は、私たち日本にとってのゼロ・イノベーションは何かを問うた。今の時代、「企業の寿命は15年」といわれる。ブラー氏は、「破壊的要素を取り入れ、新しい会社になること」「破壊的な会社に対して投資をすること」「イノベーションの力をつけること」「カルチャーを今一度確かめること」という4つのポイントを考え、「何か一つ簡単なことから取り組んで欲しい」と呼びかけた。
メガトレンドと呼ばれる大きな潮流は変わらない。日本がイノベーションを創出するドライバーは、「目的を明確にし」「団結して行動する」点にあるとブラー氏は語り、ぜひ、企業や国を前進させ、より良い世界を作っていきたいと語った。
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