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  • 2016/06/28 掲載

デジタル時代の「メガトレンド」、ハイパーコンバージェンスやミレニアルに注目せよ

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ビジネスがデジタル化し、新たなテクノロジーを背景とした「デジタル変革」の時代に、多くの企業は、ビジネス環境の「変化の速さ」や、内部の「成長のスピードの不十分さ」を喫緊の課題と感じている。米国の大手調査会社フロスト&サリバン グローバル社長兼マネージングパートナーのアループ・ズチ氏がハイパーコンバージェンス、ミレニアル世代といった「10のメガトレンド」を紹介するとともに、企業がデジタル変革時代に生き残るためのヒントを示した。
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日本の経営者はもっと「メガトレンド」を意識するべきだ

大きなビジネス機会につながる米国の「10のメガトレンド」

 「米国の未来」と題したセッションに登壇したズチ氏は、世界中の企業にとって、「変化をいかに組織に取り組んでいくか」が大きな課題になっていると指摘した。

「世界最大の経済圏であるアメリカ市場も大きな変革期を迎えている。企業がデジタル変革を遂げるためには、世界最大の市場であるアメリカで今、何が起きているかを知ることが重要だ」(ズチ氏)

 そこで、ズチ氏は、アメリカで起きているメガトレンドを取り上げ、そのハイライトを以下の10のポイントに分けて紹介した。

  1. ハイパーコンバージェンスの時代
  2. ネットワークカルチャー
  3. ミレニアル世代
  4. 競合とのコラボレーション
  5. 都市化
  6. 社会的な動向
  7. 技術と接続性
  8. 医療と健康福祉
  9. モビリティ
  10. インフラ

 では、それぞれのポイントを詳しく見ていこう。

コラボレーションの能力、テクノロジーの活用が機会を生む

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1. ハイパーコンバージェンスの時代

 ズチ氏は、「アメリカでは“すべてが定量的に計測可能な時代”を迎えた」と語る。ネットワークに接続されたデバイスを使い、個人でさえ、血圧や脈拍、運動頻度といった情報にアクセスできる。大量のデータが収集され、そのデータを活用し、どんな決定をするか。多くの企業にとって、ビッグデータ、クラウドコンピューティングといった分野には大きな機会が開かれている。

2. ネットワークカルチャー

 ネットワークでつながった人々が、新しいカルチャーを生んでいる。「アメリカには、ローカルなソーシャルコミュニティがたくさん生まれている」(ズチ氏)。アメリカではモバイルアプリを通じて、何かしたいときに、すぐにコミュニティと接続し、参加できる。こうしたネットワークカルチャーも大きな機会を生んでいる。

3. ミレニアル世代

 ミレニアル世代は、ワークライフバランスを重視している。「彼らは伝統的な職業的価値観を持っておらず、仕事はしたいときにすると考えている」(ズチ氏)。こうしたカルチャーの変革は、いずれ日本にも到来するだろう。

 また、個人ですべてのスキルを得ることは不可能なことから、企業にとっては、コラボレーションの増大という新たなニーズも生まれる。「スキルセットはグローバルで動いている。24時間、365日の時間軸で、どんなコラボレーションをすべきか。チームをつなぐテクノロジーの活用が欠かせない」と、ズチ氏は、コラボレーションの能力こそが機会の源泉と語った。

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フロスト&サリバン
グローバル社長 兼
マネージングパートナー
アループ・ズチ氏
4. 競合とのコラボレーション

 後述するメガトレンドに「都市化」があるが、これによって新たなニーズが生まれている。すなわち、個別の企業は都市化のような大きな問題に対するソリューションをワンストップに提供できないということだ。将来的には、競合同士が協働し、ソリューションを提供する。たとえば、スマートシティのように一社で提供できない価値を、多くの競合が参加して提供するといったように、「競合とのコラボレーションにオープンである」ことが価値を生む。

5. 都市化

 アメリカにおける最大のトレンドの一つが都市化だ。今後、アメリカ国内の100都市がGDPの75%を占めることになるといわれる。これにより、地方都市から大都市への移動、大都市の人口過密による渋滞や大気汚染の深刻化といった問題を引き起こしている。

 こうした問題へのソリューションには新しいビジネスモデルが必要だ。たとえば、アメリカではシェアリングエコノミーが台頭してきている。ズチ氏は、「UberやAirbnbが台頭してきたのは、所有からシェアへ価値観が変化したからだ」と語り、「これからは、小さくて軽い自動車を開発してもソリューションにはならない。モビリティの新しい仕組みがソリューションになる」と指摘した。

【次ページ】テクノロジーの進化、自動化により多くの仕事が失われる
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