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- 2016/06/02 掲載
Uberとトヨタ、LyftとGM――ライドシェアリングと自動運転を巡る提携の背景
Uberを追うライドシェアリングのスタートアップ
ライドシェアリングや自動運転は、社会を激変させる破壊的なイノベーションであるがゆえ、社会的かつ技術的な規制のハードルも高い。モデレータの久保田氏は、各パネリストの紹介を兼ねて「これらのテクノロジーがどのような方向に向かうのか?」と見通しについて質問した。
Cabify 創業者兼CEOのファン・デ・アントニオ氏は「我々の目標は、クルマの所有権を置き換えていくこと。数年前まではクルマは所有するか、レンタルするか、選択肢は2つしかなかった。レンタルではクルマを借りて自分で運転したり、タクシーやハイヤーに来てもらうということだった。しかしSNSが普及し、モビリティも進化し、最近では第3のオプションが増えた」と語る。
Lyftは、西海岸のサンフランシスコから北米を軸足に、各国でアライアンスを組みながらグローバルで展開しているライドシェアリングサービスだ。4年間でドライバー数は31万5000人、社員数は1000人を超え、1カ月あたり1000万台の乗車がある。これまでにGM、アリババ、楽天などから20億ドル以上を調達している。
同社は直近で5億ドルを調達し、新しいプログラムを始動させている。GMと組んで、ウィークリーでのレンタルを行うというものだ。「このプログラムでGMのクルマを利用できる。長期的には輸送交通の市場は発展していくだろう。10年後はクルマの所有モデルがなくなり、我々のような輸送サービスへの移行が進むはず。オンデマンドのネットワークと自動運転によって、完全に新しい世界になる。GMと協力して、この分野に一歩踏み込んできたい」(ローガン氏)
GMやダイムラーはライドシェアリング分野に積極的
Lyftのローガン氏は「この分野で先見の明があるのはGMだ。米国での収益は、郊外で使われる大型SUVやトラックで創出されている。逆にいうと都市部で積極的に消費者を獲得するチャンスがあるということ。自動運転を使ったライドシェアは都市部から始まる。そこでGMはビジネスの商機を狙っている。とにかく先んじて、この市場をとりにいこうという考えだ」と説明する。
一方、Cabifyはどうだろうか? 久保田氏はファン氏に、自動車メーカーからのアプローチやプラットフォームの融合について質問した。
「業界では動きが激しい。我々の本社はヨーロッパにあり、地元の自動車メーカーとOEMと関係が強い。彼らはこの分野で買収したり、投資を加速化させている。たとえばメーカーではダイムラーが積極的に動いている。最近、スペインで時間単位でレンタルできる自動車サービスを始めた」(ファン氏)
通信分野の出身の同氏は、プラットフォームの融合についても独自の考えを示した。「通信事業と自動車業界の共通項はネットワークの敷設だ。これには莫大な投資が必要で、単一プレイヤーではうまくいかない。当然ながら両者は少し先を見て、どれぐらい投資すべきかを考えているはず。いろいろと考慮したえで、パラダイムシフトを促すことになるだろう。いずれにしてもメーカー、規制当局、そしてサービスプロバイダーが一丸となって課題を検討する必要がある」(ファン氏)
【次ページ】ライドシェアへの反対論と規制をどう変えていくか
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