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- 2021/07/18 掲載
パンデミックで過去最高、世界で「起業」が急増のワケ、そしてコロナ後のゆくえ
世界の起業トレンド、米仏では申請が過去最多に
コロナ禍、多くのメディアは失業増加のデータを引き合いに出し、不安をあおる情報を流しがちだ。しかし、この失業増加の裏で、起業数が増えているというポジティブな情報が触れられることは少ない。
日本を含め世界各地では、起業する人が増加しており、一部では起業数が過去最多を記録した国も出てきている。
たとえば、米国では2020年7月に起業申請数が55万件以上となり、過去最高を記録(米国勢調査局調べ)。前年同月比では、95%増の急増ぶりだ。
パンデミック前、米国の1カ月あたりの起業申請数は20万件前後だったが、2020年7月以降はおおむね40万件を超える水準で推移。直近2021年5月の起業申請数は50万件、前年同月比では68%増と高い値を維持している。
またマッキンゼーのまとめ(2021年1月4日)によると、フランスでは2020年10月、起業数が8万4000件となり最多記録を更新。前年同月比では20%の増加となった。また英国でも2020年第3四半期の登記数は前年同月比30%増と2012年以来最大の伸びを記録したという。
IT系や教育系など、コロナで大きく変化した需要を取り込む
では、どのような分野での起業が多いのか。ケント大学の調査では、2020年英国の起業トレンドをけん引した分野は、オンライン系の事業であることが分かった。eコマースの急激な伸びなど消費が大きく変わったことによって需要が急速に伸びたロジスティクス、デリバリー、ITなどでの起業が多かった。
ITスタートアップの財務支援などを行うStartup Studioの創業者イバン・ルスラ氏によると、2020年のIT分野の起業数は前年比で20%ほど増加。同年第4四半期がピークだった。特に、情報通信系、非中央集権的テクノロジー、バイオメディシン分野のスタートアップが多いという。
特に2020年は多くの学校がオンライン授業を実施した年でもあり、EdTech関連の起業も活況だったようだ。
CBインサイトによると、2020年のEdTech分野への投資は前年を上回る結果となり、多くの資金がシードフェーズのスタートアップに投資されたという。
教育産業はパンデミックの影響で大きく変化した産業の1つ。オンライン授業の増加で、多くの学生は通常の授業料を払う価値はないと感じ始めており、この需要の変化を取り込む新しいサービスが求められている。
カナダ・トロントのEdTech企業OneClassが米国の大学生1万人以上を対象に実施した調査では、大学のオンライン授業に対し通常の学費を払う価値はないとの回答割合は93.8%に上ることが分かった。
OneClassはこの新しい需要を取り込むため、2020年秋頃に通常の学費の80%ほど低いコストで、オンライン授業の単位を取得できるサービスを開始している。米国やカナダだけでなく、世界各地でもこのような需要は増えていると考えられる。OneClassと同じようなサービスを提供するEdTechスタートアップが増えてきても不思議ではないだろう。
【次ページ】コロナで生まれたスタートアップの生き残り確率は?
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