- 2025/04/27 掲載
IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場
投資家は一連の企業決算が相場を押し上げるのか、もしくは貿易を巡る世界的な不透明感が再びボラティリティーを高めるのかに注目している。
先週のS&P総合500種指数は堅調に推移。最近の下げの約半分を取り戻したが、2月に付けた最高値を依然約10%下回っている。
米中などの貿易摩擦が緩和するとの期待が支援要因となっているが、状況は流動的で、関税を巡って新たな材料が浮上すれば、売りが膨らむ可能性もある。
決算発表では、関税を巡る不確実性が重要なテーマになる見通し。
UBSによると、今週はS&P500種指数の構成企業のうち、時価総額ベースで全体の40%以上に相当する約180社が四半期決算を発表する。
中でも注目されるのは「マグニフィセント・セブン」の4社であるアップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォームズの決算発表。4社の株価は過去2年間急騰していたが、今年に入り低迷している。
S&P500種指数の構成企業は、すでに全体の3分の1強が決算を発表しており、現時点では利益が市場予想を上回っている。LSEG・IBESのデータによると、同指数構成企業の第1・四半期決算は前年同期比9.7%の増益となる見通し。4月1日時点の予想は8%の増益だった。
ベイカーアベニュー・ウェルス・マネジメントのチーフストラテジスト、キング・リップ氏は「投資家は最悪のケースを予想していたが、決算はそれほど悪くはない」と指摘した。
ただ、生活必需品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、飲料・スナック大手のペプシコ、医療機器大手のサーモ・フィッシャーは、いずれも通期の利益予想を下方修正している。
投資家は新たな国際貿易体制が経済指標にどこまで影響を及ぼすかにも注目する見通し。物価上昇や景気減速が懸念されている。
今週は第1・四半期のGDP速報値、3月のPCE価格指数、4月の雇用統計が発表となる。
5月2日発表の雇用統計は市場にとって最大の試金石となる可能性がある。雇用はここ数カ月安定しており、ロイターがまとめた市場予想では、非農業部門就業者数が13万5000人増と見込まれている。
だが、消費者信頼感などの「ソフトデータ」は低迷しており、経済見通しに対する疑念が強まっている。ソフトデータの弱さが雇用統計などの「ハードデータ」にも表れるかが注目される見通しだ。
BNYの市場マクロ戦略責任者、ボブ・サベージ氏は「米国の成長エンジンが消費者であるなら、雇用統計で消費者の状況を確認する必要がある」と述べた。
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