- 会員限定
- 2023/11/23 掲載
Machina Labsとはいかなる企業か? NVIDIAやロッキードも出資のAIロボティクスの真価
製造業に求められるフレキシビリティ(柔軟性)
米国では、精密機器からEVや航空機など、高付加価値製品を自国で生産しようという機運が高まっており、これに伴い自動化技術に対しても、新たなニーズが生まれている。そのニーズの1つは、製造業ではこれまであまり話題になることがなかった製造プロセスにおける「フレキシビリティ(柔軟性)」だ。
通常、製造プロセスにおいて、組み立てラインを構築すると、その組み立てラインは、特定のプロダクトの組み立てには対応できるものの、急なデザイン変更や仕様の変更などに柔軟に対応することが難しく、変更には大きなコストを伴う。
Machina Labs はAIとロボティクスで柔軟性を実現
この課題に、ロボティクスとAIを活用し挑もうとしているのが、2019年に米ロサンゼルスで設立されたMachina Labsだ。設立から2年ほどステルスモードで研究開発を進めてきた同社だが、2021年にスタートアップメディアTechCrunchが同社を記事で紹介したことで、広く知られるようになった。
同社はシード段階ですでに、NASAや米空軍などとのパイロットプロジェクトを実施するなど、米国政府機関との強いパイプを持っている。
2023年1月に大手軍事企業の米ロッキード・マーティンから出資を受け、また直近10月にもエヌビディアのNVenturesとInnovation Endeavorsが共同で主導するシリーズBラウンドで3,200万ドルを調達しており、累計調達額は4,500万ドルに上る。
創業者でCEOを務めるエドワード・モア氏は、2006~08年にソニーでプロダクトマネジャーを務めた後、AI学習を本格化し、南カリフォルニア大学などで機械学習研究のリサーチアシスタントを経験、その後スペースXのエンジニア、Relativityのプログラムマネジャーを経て、Machina Labsの設立に至った。
Machina Labsが開発しているのは、金属加工用のAIロボット。自由自在にハンマーを使う鍛冶屋のように、さまざまなデザインや材料に柔軟に対応できるロボットを提供することで、製造業に前例のないフレキシビリティと機動性をもたらすことをミッションとしている。 【次ページ】Machina Labsのテクノロジー
関連コンテンツ
PR
PR
PR